2年連続の過去最高売上高を狙う京セラ――ポイントは「低シェアな現状」:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
京セラは都内で2013年度の決算説明会を開催し、2013年度の業績と2014年度の方針について説明した。2年連続の過去最高売上高を目指す方針を示した。
京セラは2014年5月7日、都内で2013年度の決算説明会を開催した。2014年3月期(2013年度)に過去最高の売上高を達成した勢いをさらに加速させ、2015年3月期(2014年度)は2期連続で過去最高を更新する計画を示した。
京セラの2013年度の決算は売上高が、前年度比13.1%増の1兆4474億円となり、過去最高だった2008年3月期(2007年度)の1兆2904億円を超えた。代表取締役の山口悟郎氏は「当社は2001年3月期(2000年度)に売上高1兆円を突破したが、そこから1兆3000億円の壁に阻まれる時期が続いた。しかし2013年度はその壁をついに超えることができ、過去最高を突破できた」と語る。
利益についても、営業利益が前年度比56.8%増の1206億円、税引前当期純利益が同44.3%増の1463億円となるなど大きく伸長。過去最高の利益額には届かなかったが、売上高に対する税引前当期純利益の比率は目標としていた10%を超え、10.1%となっている。
2014年度についても同様の勢いを保ち、2年連続の過去最高売上高を目指す計画だ。売上高は1兆5800億円、税引前当期純利益は1580億円を目指す。山口氏は「2014年度は2年連続の過去最高売上高を達成し、中期目標である売上高2兆円の足掛かりとしたい。また税引前当期純利益についても利益率10%以上が定着できるようにする」と強調する。
自動車用部品の売上高3000億円へ
今後の成長に自信を見せる山口氏だが、実はポイントになっているのが同社が製品を展開する領域で「低シェア」であることが挙げられる。低シェアでありながら利益を確保できているため、それぞれでシェアを伸ばすことがそのまま売上高、利益の成長につながるという構造だ。「目に見える成長領域」が残されているため、成長の道筋を描きやすい。
例えば主力の電子部品領域においても自動車関連市場では2017年3月期(2016年度)には、2013年度の2倍となる3000億円の売上高を目指すという。山口氏は「独自のファインセラミック技術やディスプレイ技術など自動車向けで貢献できる技術を数多く保有している。一方で現状を見た場合、自動車向けでのそれぞれの製品のシェアは決して高くない。成長の余地が多く残されているという状況だ」と語る。
具体的な自動車向け部品の事業戦略としては「自動車向けという切り口での提案を強化しそれぞれのシェアを拡大する」「競合他社にあって自社にない製品を開発し、品ぞろえを強化する」「液晶ディスプレイ関連を成長の柱に育てる」の3つの方針を押し進めていくという。特に液晶ディスプレイ関連については「現在BMWやボルボに採用されており、ティア1サプライヤへの提案を強化している。2016年度にどれほど効果を生み出すかは分からないが、将来の成長の原動力としていく」と強化を進める方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.