パナソニック製品が大阪新美術館の展示物に!? 大阪市や大学と研究プロジェクト:メカ設計ニュース
パナソニックは、大阪市の大阪新美術館建設準備室、京都工芸繊維大学と連携して、日本の戦後工業デザインの再評価と、関連する情報の活用の促進を目的とする「インダストリアルデザイン・アーカイブス研究プロジェクト」を発足する。
パナソニックは2014年10月30日、大阪市の大阪新美術館建設準備室、京都工芸繊維大学と連携して、日本の戦後工業デザインの再評価と、関連する情報の活用の促進を目的とする「インダストリアルデザイン・アーカイブス研究プロジェクト」を発足すると発表した。研究成果は、データベース公開や展覧会、シンポジウムなどを通じて公開する方針で、2020年度までに開館を予定している大阪新美術館での展示も検討しているという。
同プロジェクトでは、歴史的製品の基礎調査(写真撮影、採寸、デザイン的価値の検証、素材・機能の記録など)に加え、それらの製品が誕生した社会的/技術的背景や、人々の生活や文化に与えた影響などを総合的に考察。工業製品変遷のアーカイブス構築を目指すとしている。
大阪市は、工業デザインのプラットフォームとして同プロジェクトのデータベースを含むデジタルアーカイブスを運営・発信する。京都工芸繊維大学は、多角的な視点から研究を主導する。パナソニックは、社会貢献活動の一環として、これまで保管してきた歴史的製品やそれに関連する情報を提供するとともに、同社製品が戦後の社会発展にどのように寄与したのかなどを検証する。これらの製品、情報、検証成果は、未来のイノベーションに貢献する資料として、デザイナーや技術者/研究者などに広く活用してもらいたいとしている。
パナソニックが一例として挙げるのが、1920年に発売した、1つの電球用ソケットから2つのソケットに電気を分ける「二灯用クラスター(二股ソケット)」である。家庭内の電気の供給口が1つしかなかった時代に、電灯と電化製品を同時に使用できるようにしたヒット商品で、「今日まで多くのお客さまに親しんでいただいている」(同社)という。
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