ビンテージ家電を収集し出したら、見えた? 家電の未来:zenmono通信(1/3 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、デザインアンダーグランド主宰 家電蒐集家 松崎順一さんにお話を伺った。
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モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、デザインアンダーグランド主宰 家電蒐集家 松崎順一さんにお話を伺った。
本記事はモノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から転載しています。
enmono宇都宮氏 本日のゲストは、デザインアンダーグランドの松崎さんです。(70年代、80年代のビンテージ家電に囲まれた)とても癒されるアトリエからお送りしています。松崎さんは「家電蒐(しゅう)集家」という肩書も持っていらっしゃいますが、どのようなきっかけで家電収集を始められたのですか?
松崎氏 私はインハウスデザイナーとして22年間、モノづくりをしてきました。20年も勤めると自分のやりたいことがだんだん見えてきて、私なりの表現方法をしたいと思うようになりました。30代後半に車にはねられて背骨を骨折し、半年間入院しまして。医者から「半身不随になるだろう」と言われるくらいの大けがでしたが、後遺症も全くなく、完治しました。
enmono宇都宮氏 奇跡的ですね。
松崎氏 その時、「もしかしたら、自分は違うことをやるために生かされたのでは」と思ったのです。11年前にデザインアンダーグランドを立ち上げた当初は、何をやるのかは漠然としていたんですけれども、小中学生の時に馴染んでいた家電に魅力を感じて集めはじめました。ビンテージ家電はモノからダイレクトに、デザイナーの情熱や考え方が伝わってきます。
enmono宇都宮氏 60年代、70年代は、メーカーのカラーがすごく出ていましたよね。
松崎氏 当時は3〜4年かけて1つの製品を作っていたそうです。現代は製品のサイクルが早すぎて、デザイナーや開発者のモノに込める思いが薄らいでいる感じがしてならないのです。思いを込めたいけれども、中途半端なままアウトプットしなければならないとか。
enmono宇都宮氏 予算が限られているとか。
松崎氏 結局それがユーザー側にも伝わって、「なんか、ちょっと」と思われてしまう。それにモノが飽和状態になっていて、「持たない」とか「シェアする」という時代ですから、メーカーも何を作っていいか分からないのです。
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