【第1話】「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」との出会い:3Dプリンタでデジタルモノづくりをはじめよう(1)(4/4 ページ)
「自分でも3Dプリンタを使えるようになりたい!」と願うY君と、中野ブロードウェイにある「あッ 3Dプリンター屋だッ!!」のN店長との交流を通じ、パーソナル3Dプリンタを使いこなすためのハウツーを解説する連載。Y君とN店長の出会いから物語はスタートします。
サポートがどこに立つか意識すべし
(さらに別の出力サンプルを手に)アレ? こっちのは後ろに変なゴミみたいのが付いてますね? ひょっとして失敗ですか?
Y君。それは失敗なんかじゃないよ。「サポート」といって、宙に浮いた部分などを支えるものなんだ。出力したい形状・向きによっては必要になってくるんだよ。Y君が手にしているのは、サポートを除去する前の状態だね。ポリポリと手で取り除いたり、細かいところは小さなペンチやニッパーなどで取ったりするといいよ。
FDM方式の場合、宙に浮いた部分にサポートが付きます。3Dプリンタでプリントを実行する際、サポートあり/なしを選択できます。サポートを付けてしまうと、どうしても表面にサポートを取った跡が付いてしまうので、きれいに仕上げたい部分はサポートが付かないよう上向きにするなど工夫が必要です。そのためには、3Dモデリングの段階で、どこをきれいに3Dプリントしたいかを意識する必要があります。
3Dプリンタの仕様を抑えるべし
細かいデザインは、どの程度再現できるんですか?
うちに置いてあるのはFDM方式のパーソナル3Dプリンタだから、一般的に材料が出てくるノズル径は0.35〜0.4mmかな。だから、それ以下のサイズの形状や模様などを作ろうとしても絶対にできないんだよ。つまり、3Dプリンタの仕様に合わせてデザインを考え、3Dモデリングすることが大切だね。
FDM方式は、ノズルと呼ばれる材料が出る先端部分の径が決まっています。例えば、ノズルの径が0.6mmの3Dプリンタに、0.3mmの3Dモデリングをしてもきちんと出力することはできません。自分が使う機種のことを理解して、出力できる寸法で3Dデータをモデリングすれば、イメージと出力した造形物とのギャップが小さくなり、満足度も高まるでしょう。
次回は、Autodesk 123D Designを使って実際に3Dモデリングをしていきましょう。お楽しみに! (次回に続く)
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