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インテル「IoTを取り巻く全てを支援する」、Edison搭載製品も披露組み込み開発ニュース

インテルはIoTに関する同社の取り組みを紹介する記者会見を開催、国内外のIoTを取り巻く環境と日本国内の事例もあわせて紹介した。また、正式発表した超小型コンピュータ「Edison」の搭載製品も披露した。

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 米Intelの日本法人であるインテルは2014年9月29日、IoT(Internet of Things)に関する同社の取り組みを紹介する記者会見を開催、国内外のIoTを取り巻く環境と日本国内の事例も併せて紹介した。また、同年9月に正式発表した超小型コンピュータ「Edison」の搭載製品も披露した。

 会見に登場した米インテル セールス&マーケティング事業部 副社長 兼 エンベデッドセールスグループ ゼネラルマネージャーのリック・ドワイヤー氏が強調するのは、厳密な意味でのIoT(モノのインターネット)だけではなく、背後にビッグデータがあり、収集したデータをインターネットに接続されたモノで活用してこそ、新たなビジネスチャンスを創出できるということだ。

photophoto IoTはビッグデータが背後にあってこその価値創造だというドワイヤー氏(写真=左)、IoTでもたらされる「1%のパワー」(写真=右)

 ドワイヤー氏が紹介した資料によれば、IoTによるデータの有効活用と収益化は「1%のパワー」と呼べる業績改善をもたらし、航空産業ならば燃料削減で300億ドル、電力産業ならば同じく燃料削減で600億ドル、医療産業ならばシステム効率改善で630億ドルの業績向上をそれぞれ期待できるという。

 「ビッグデータの活用には大きな商機がある。それは輸送やセキュリティ、交通、製造など多岐に渡り、その市場規模は、ある試算だと19兆ドルにもなる。IoTによるチャンスは無限だ」(ドワイヤー氏)

 拡大するIoTのビジネスソリューションだが、そこには幾つかの段階があるとドワイヤー氏は指摘する。ステップとしてまずはセキュリティの構築が最重要であり、次にプロビジョニング(需要予想と準備)とデータの正規化、そして分析、最後に収益化だ。同社はチップベンダーであることから、チップ提供はもちろんだが、関連機器に使われるOSやセキュリティ、クラウドデータ解析など、IoTに関わるさまざまな領域に対して積極的な投資と研究開発を行っているという。

photophoto IoTにまつわる全てをサポート(写真=左)、写真のGalileoなど含め、ゲートウェイのソリューションも支援する(写真=右)

 同社は世界最大の半導体チップベンダーだが近年では周辺領域への影響力拡大に積極的で、組み込みOS「Windriver Linux」を持つウインドリバーや有力セキュリティベンダーのマカフィーも同社の傘下にある。また、組み込み機器用SoCやボードの開発提供にも積極的で、2014年9月には指先に乗る超小型コンピュータ「Edison」を正式発表している。

 「シリコン(チップ)とサービスのパッケージを用意することで、開発者の手間を省くことができる。製品投入までの時間を短縮できれば、よりグリーンフィールド(完全な未開拓領域)やブラウンフィールド(既存のビジネス領域でもIoTの手法が浸透していない領域)へのチャンスが広がる」(ドワイヤー氏)

 ドワイヤー氏はコンピュータにとって欠かせない半導体の製造はもちろん、セキュリティやOS、さらにはプロトタイピングなどさまざまな領域にインテルが貢献することで、パートナー各社のIoTビジネスを拡大できると主張した。

 日本における状況について、インテル 常務執行役員 事業開発本部長の平野浩介氏も「IoTはマーケティングのバズワードではなく、市場の成長を実感できる時期にきている」と、2018年にはIoT関連市場が20兆円規模にまで拡大するという資料を提示しながら、既にビジネスとしての加速タイミングに入っているという認識を示す。

photophoto 日本のIoT市場も2018年には21.1兆円市場に(写真=左)、Edisonを手にするインテル 常務執行役員 事業開発本部長の平野浩介氏

 また、平野氏は成長を加速させるために必要なのは、「インテリジェントかつ安全で、ユーザーにとって有益なサービスを提供すること」だと言う。IoTを活用した機能保全や維持管理などでも収益への貢献は果たせるが、市場成長のためにも、新たな価値と利益を生み出すEnd to Endサービスの提供が不可欠になるというのだ。

 その一例として、PFIとNexcomの機械学習BIソリューションやCiaoとイノテックによる映像解析ソリューション、Edisonを搭載したぷらっとホームの超小型デバイス「OpenBlock IoTファミリ」などを紹介した。

「OpenBlock IoTファミリ」は国内初のEdison搭載製品で、41.6(幅)×96mm(奥行き)×11.3(高さ)mmのボディにCPU、メモリ、OS(Debian GUN/Linux)、無線ネットワークインタフェース(Wi-Fi、Bluetooth、W-CDMA)を備えており、各種センサーとインターネットをつなぐゲートウェイの他にも、機械学習ノードなどさまざまな用途での利用が期待される。

photophoto Edisonを搭載したぷらっとホームの超小型デバイス「OpenBlock IoTファミリ」

 このほかにも同社と三菱電機による次世代FA(FactoryAutomation)システムにおける協業やオムロンの加工/検査データ活用による品質管理向上ソリューション、同社半導体製造工場におけるビッグデータ活用などの事例を紹介し、IoTによるビジネス拡大は既に始まっていると強調した。

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