押さえておきたい交渉術の勘どころ(その1):レイコ先生の「明日から使える! コミュニケーションスキル」(7)(1/3 ページ)
できれば避けたいものというネガティブなイメージがある「交渉」。だがコミュニケーション技法「交渉術」を身に付けておくことが相手との対立を乗り越えるために重要なのだ。ビジネスにおける交渉術の基礎について解説する。
本連載の登場人物
小山田和成(オヤマダカズナリ)
中小ソフトウェアメーカーに勤務するエンジニア。入社8年目の30歳。技術力においては社内から一目置かれる存在で今年から係長に昇格。しかし、奥手な性格でコミュニケーションは苦手。通称「カズ君」。
杉本麗子(スギモト レイコ)
外資系ソフトウェアメーカーにて人事部長を歴任。その後、中小企業診断士を取得して独立。現在は、「ツンデレ」キャラを生かして売れっ子の人事コンサルタントとして活躍中。通称「レイコ先生」。
*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。
あら、カズ君、元気? 新製品が無事に販売開始されたみたいね。
ええ、レイコ先生に教えてもらったブレインストーミングのおかげで、なんとか良いアイデアを創造することができました……。
あら、それにしては、またいつもの浮かない顔ね。今度は何があったの?
実は、新製品を売り込む大手企業との交渉担当に任命されてしまって……。
あら、また大役ね。すごいじゃない、頑張ってね。
えーー、それだけですか、いつもみたいに助けてくださいよー。交渉みたいなピリピリした仕事、僕みたいなナヨナヨした人間には無理ですよ。想像するだけで胃が痛い……。
オダマリ!! 泣き言を言わない! 勝手な思い込みで、やる前から諦めないの!
ヒィーーー!!
交渉というと、面倒でやっかいなものという苦手意識を持っている人が多いけど、ビジネスにおけるコミュニケーションの1つよ。基本的なことを押さえておくだけで苦手意識がなくなるはずよ。じゃあ、今日は交渉術について教えてあげるわね。
お願いします!
交渉とは対立を乗り越えるためのコミュニケーション
「交渉」というと、できれば避けたいものというネガティブなイメージを持っている人が多いでしょう。おそらく、ピリピリとした雰囲気の中で行われる心理戦の駆け引きという様なイメージがあるのだと思います。もちろん、交渉は和気あいあいと楽しみながら行うものではないので、そのようなイメージが当たっている面もあります。しかし、交渉とは相手との対立を乗り越えるためのコミュニケーションの1つなのです。
ビジネスでは意見や利害の対立に直面することがたくさんあります。そのため、相手との対立を前提としたコミュニケーションの技法である「交渉術」を身に付けておくことが重要なのです。さもなければ、高圧的な態度の相手に安易に譲歩してしまったり、意見の対立に過剰反応してしまい冷静な判断ができないという事態に陥ってしまうのです。
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