金型屋さんが生み出した自社製品ブランド――MGNETの武田修美さんに聞く:zenmono通信(1/4 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、金型製作所の商品開発と販売部門から新ブランドを立ち上げたMGNETの竹田修美さんお話を伺った。
本記事はモノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から転載しています。
enmono宇都宮氏 自己紹介をお願いします。
武田氏 株式会社MGNETの代表をやらせていただいています、武田と申します。2011年に、親会社である武田金型製作所の商品開発と販売をしていた部門が、株式会社MGNETになりました。自社商品の他にも、さまざまな業種の企業さんと一緒に製品を作っています。また、製造業の方から「なんとなく商品を作ってみたけれど、これをどうしたらいいのか?」という相談を受けたり、プロモーション活動のお手伝いをしています。
enmono宇都宮氏 相談を受けるのは、BtoCの商品が多いですか?
武田氏 BtoBの方が多いかもしれません。そちらの方が、武田金型がやってきたノウハウを生かせるので。武田金型も展示会に出たり、イベントを開催したり、時にはUstreamをしてみたりしました。
enmono宇都宮氏 なぜ、そのようなプロモーション活動をするようになったのですか?
武田氏 理由の1つは、業界的に売り上げが減ったことです。新しい仕事の取り方というか、営業的な動きをしてもいいんじゃないかと。武田金型はプレス金型の設計、製作、修理をしています。特に車関係の仕事がメインで、もちろんメーカーさんの影響は受けます。リーマン・ショックの少し前ですかね。業績が悪くなってきたと思ったら、売り上げが一気に3分の1くらいになりました。
enmono宇都宮氏 厳しい状況だったのですね。
武田氏 「こういう金型を床の間に飾りたいんだけど」とか、金型を趣味で注文してくださるようなお客様はいませんし。いつか出てきたらいいなと思いますが(笑)。武田金型ではリーマン・ショックの前から、商品作りとか、いろいろチャレンジしていたわけです。それで、「本業の方が空いてきたなら、今までおろそかにしていた部分をやってみるか」と。
enmono宇都宮氏 それは、社長さんの方がそういうことをされていたのですか?
武田 そうですね。武田金型の社長は、私の父です。社長はもともとは職人ですが、柔軟なところがあるのかなと思いますし、そこに救われている部分はとても多くて。
enmono宇都宮氏 金型1本ではなく、「こういう商品をつくってみよう」とか。モノづくりがお好きなんですかね。
武田氏 はい。(モノづくりに限らず)やる前から否定してもしょうがない、というところがあるんじゃないかと思います。つべこべ言わず、とりあえずやってかたちにしてみるという職人気質が、根っこにはあるんですね。
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