売上高4兆円規模のメガサプライヤが誕生、ドイツZFが米国TRWを買収:ボッシュ、デンソーに次いで第3位
大手ティア1サプライヤであるドイツのZF Friedrichshafen(ZF)と米国のTRW Automotive Holdings(TRW)は2014年9月15日、ZFがTRWを買収することで最終合意した。買収金額は負債を含めて135億米ドル(約1兆4460億円)。TRW買収後のZFの企業規模は、売上高が約410億米ドル(約4兆3980億円)で、従業員数が全世界で約13万8000人となる。
大手ティア1サプライヤであるドイツのZF Friedrichshafen(ZF)と米国のTRW Automotive Holdings(TRW)は2014年9月15日、ZFがTRWを買収することで最終合意したと発表した。買収金額は負債を含めて135億米ドル(約1兆4460億円)。2015年前半までにTRWがニューヨーク証券取引所に上場している株の買い取りを終わらせて、買収を完了させたい考え。
TRW買収後のZFの企業規模は、売上高が約410億米ドル(約4兆3980億円)で、従業員数が全世界で13万8000人となる。研究開発投資も両社合計で21億米ドル(約2900億円)まで拡大する。また今回の買収により、ZFが重視する米国と中国の地域別売上高も倍増する。米国市場は約39億米ドル(約4180億円)から約90億米ドル(約9650億円)に、中国市場は約27億米ドル(約2900億円)から約55億米ドル(約5900億円)になる。
ZFは、変速機などのパワートレインやシャシーシステムなどを主力としている。一方のTRWはエアバッグや運転支援システムといった安全システム全般で有力な技術を持つ。今後の自動車技術開発で重視されるであろう、燃費向上や高度な安全要求、自動運転技術などを実現するために互いの技術が融合させていく考えだ。なおZFが買収するTRWの事業形態については、従来のZFの事業とは別の独立した事業部門として運営することになるという。
調査会社のフォーインが2014年7月に発表した、2013年度におけるティア1サプライヤの自動車部品事業の売上高ランキングでは、1位がドイツのRobert Bosch(約406億米ドル)、2位がデンソー(約402億米ドル)、3位がカナダのMagna International(約317億米ドル)で、ZFは9位(約196億米ドル)、TRWは10位(約174億米ドル)だった。ZFの自動車部品事業の売上高規模は、今回のTRWの買収により約370億米ドルまで増え、Robert Bosch、デンソーに次ぐ3位に入ることになる。
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