高齢者雇用に企業は消極的か――「法定義務の範囲を超え自主的に対応」は1割下回る:キャリアニュース
現在の定年年齢について、75%の企業が「60歳」と答えた。現状では、定年が65歳以上か、定年を定めていない企業は、20%にとどまっている。
年金受給開始年齢が2025年に65歳へ引き上げられるのを受けて、2013年4月に施行された改正 高年齢者雇用安定法では、「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年の廃止」のいずれかが義務付けられた。
そうした法改正を受けて、企業側ではどれだけ対応が進んでいるのだろうか。エン・ジャパンは「高年齢者(シニア)雇用」についてのアンケート調査を行い、人事担当者325名から回答を集めた結果を2014年8月28日に発表。各社人事の取り組みについて明らかにしている。
まず、現在の定年年齢について。75%の企業が「60歳」と答えた。現状では、定年が65歳以上か、定年を定めていない企業は、20%にとどまっている。
続いて、今後の高年齢者雇用についての対応を聞いたところ、「法定義務の範囲で対応していく」(51%)、「状況をみて対応を検討する」(34%)といった答えが多く、「法定義務の範囲を超え自主的に対応していく」と答えたのは1割以下だった。
高齢者を雇用する目的として、半数以上の人事担当者が「経験した知識の活用」(66%)や「スキルやノウハウの伝承」(51%)を挙げた。一方で「高齢者雇用安定法の遵守」という後ろ向きな理由を挙げる企業が40%と目立ったことから、「全ての企業が積極的に取り組んでいるわけではないよう」だとエン・ジャパンは分析している。
実際に社内の高齢者層が貢献していることについて聞くと、「経験した知識を活かした戦力化」(62%)、「スキルやノウハウの伝承」(44%)に続き、「若手人材の育成」(31%)が挙げられた。
高齢者雇用について困っていることについては、「困っていることはない」が36%で最多。それに「継続雇用後の処遇決定」(30%)や「戦力化やモチベーションの持たせ方」(27%)が続いている。
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