重さ300g以下と軽量の超音波3Dプローブ、日本電波工業が開発:医療機器ニュース
日本電波工業が、超音波診断装置で使う3次元プローブを3機種開発した。小型化、軽量化を図り、3次元静止画像/3次元動画の鮮明度も向上したという。さらに、3機種のうち1機種は、揺動方式として従来品の「セクタ揺動方式」ではなく、「リニア揺動方式」を採用した。
日本電波工業は2014年9月8日、腹部・胎児検査用の超音波診断装置で使用される3次元(3D)プローブ(以下、超音波3Dプローブ)を3機種開発したと発表した。体表検査用の「T01515」と「T01552」、体腔内検査用の「T01534」である。
体表検査用のT01515は、乳腺や甲状腺など体表からの超音波診断や、整形外科領域でのリウマチ診断などに向けて開発された。現在、超音波プローブで一般的な、探触子を円弧状に動かす「セクタ揺動方式」ではなく、探触子を直線的に平行に動かす「リニア揺動方式」を採用することで、深部での画像分解能が向上した。リニア揺動方式を採用した超音波3Dプローブは「世界でも初めて」(同社)だとしている。さらに、深部の3次元静止画像(3D)/3次元動画(4D)を、鮮明に映し出すことに成功したという。サイズは幅99mm×奥行き74mm×高さ107mm。重さは295g。
一方のT01552は、経腹式での腹部・胎児の超音波診断向けに開発された。同社従来品の形状を改良して、持ちやすくし、診断部分に当てやすいようにしたという。同時に揺動速度を高めて感度も向上した。サイズは幅65mm×奥行き46mm×高さ110mm。重さは190g。
体腔内検査用の「T01534」は、妊娠初期における超音波診断向けとして開発された。T01534は、揺動速度を高め、3D/4D表示が可能になっている。サイズは幅44mm×奥行き38mm×高さ294mm。重さは275g。
超音波プローブは、モーターやギアなど機械的な駆動部分が増えたため、大きく重くなり、医師や検査技師の手に掛かる負担が増していることが課題になっていた。日本電波工業は負担を軽減したいというニーズに応えるべく、1970年代から超音波プローブ事業を開始し、約1500種類の超音波プローブを開発してきた。
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