リコーが企業向け3Dプリンタ販売・出力サービス事業に参入、自社開発も視野:3Dプリンタニュース
リコーが3Dプリンタ事業に参入する。まずは、企業向けに3Dプリンタの販売や出力サービスなどを行う「リコーラピッドファブ」と呼ぶ拠点を横浜市と厚木市の事業所内に設ける。産業機器向けに展開しているインクジェットヘッドなどの技術を用いた3Dプリンタの自社開発・販売も視野に入れているという。
リコーは2014年9月8日、3Dプリンタの仕入れ販売や3Dプリンタによる出力サービスなどを中核とするアディティブ・マニュファクチュアリング(AM)事業に参入すると発表した。AM事業の第1弾として、企業の設計・製造部門が中心顧客となるモノづくりイノベーション拠点「RICOH Rapid Fab(リコーラピッドファブ)」を神奈川県の横浜市と厚木市に開設する。
リコーラピッドファブは、企業の設計・製造部門向けに3Dプリンタの活用によるモノづくり変革を提案する場になる。3Dプリンタの実機を確認するショールームとしての利用の他、3Dプリンタによる出力サービスにも対応する。さらに、リコーの設計現場における3Dプリンタの活用事例に基づくコンサルティングも行う。
横浜市と厚木市のリコーラピッドファブは、企業の設計・製造部門向けということもありリコーの事業所内に開設する。横浜市の「RICOH Rapid Fab新横浜」は2014年9月8日からリコーの新横浜事業所内に、厚木市の「RICOH Rapid Fab厚木」は同年9月下旬から同社厚木事業所内に開設する。
リコーグループは、20年以上に渡って設計業務で3Dプリンタを活用してきた実績を持つとともに、試作や金型加工などの数々の技術を有している。これらの実績と技術を融合したAM事業を立ち上げることで、モノづくり現場における3Dプリンタの活用を支援していきたい考え。
リコーは、3Dプリンタでモノを造形するのに必要なインクジェット技術や材料/粉体に関する技術を得意としている。特に積層ピエゾ技術を用いたインクジェットヘッドは、3次元造形も可能な印刷機にも利用されているという。今後同社は、これらの技術を用いた3Dプリンタの自社製造・販売も視野にさらなる研究開発を進める方針だ。
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