わずか1μLの血液で遺伝子型を判定、島津製作所の研究用装置:医療機器ニュース
島津製作所が発売した「GTS-7000」は、わずか1μLの血液で遺伝子型を判定できる。試薬キットに含まれる溶解液と混合してから室温で5分ほど静置するだけで、分析装置にかけられるようになる。
島津製作所は2014年8月27日、遺伝子と薬効、疾患の関連性を研究する際に行う遺伝子型の判定を、微量の血液から迅速に行うことができる遺伝子型判定システム「GTS-7000」(研究用)を発売した。
医薬品の効き具合やかかりやすい疾患などは、遺伝子型により程度が異なる。従って、あらかじめ遺伝子型を確認しておけば、より効果があって副作用の少ない医薬品を事前に選択できるようになると期待されている。そうした背景から、近年では医薬品の種類や投与量などを患者それぞれに合わせる個別化医療の研究が進む一方、対象となる患者の数や遺伝子の数も増加しているため、柔軟に遺伝子型判定できるシステムの登場が待ち望まれていたという。
本システムは、わずか1μLの血液で遺伝子型を判定できる。試薬キットに含まれる溶解液と混合してから室温で5分ほど静置するだけで、分析装置にかけられるようになる。従来は分析装置にかけるまで、血液からDNAを精製する作業に30分ほどの時間を必要としていたが、独自の血液直接PCR技術*)を応用することで、5分ほどにまで短縮している。
*)PCR:ポリメラーゼ連鎖反応。PCR法とは、DNAの特定の領域を選択的に増幅させる方法を指す。
遺伝子型は専用のソフトウェアによって自動で判定される。さらに、最大96検体分の分析データと遺伝子型が1つの画面に個別表示されるため、ひと目で結果を確認できる。
今後は遺伝子型判定に用いる、検査キットのラインナップの拡大を図るとしている。
価格は611万5200円(税別)。最大96検体を一度に分析できる高速サーマルサイクラー、遺伝子型判定に特化した専用解析ソフトウェア、確認したい遺伝子をユーザーが設定できる測定回数48回分の試薬キットがセットになっている。
また、試薬キットは別売りもしている。測定回数48回分で、価格は11万5200円(税別)。
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