ついに本命登場!? 「ヒトの目」を備えたダイソンが提案するロボット掃除機:ロボット開発ニュース(2/2 ページ)
ダイソンは、サイクロン式ロボット掃除機「ダイソン 360 Eye ロボット掃除機」を世界同時発表し、日本でプレス向け説明会を開催。創業者であるジェームズ・ダイソン氏自ら新製品の特長や優位性をアピールした。
他のロボット掃除機と何が違うのか
ダイソン 360 Eyeは同社の掃除機と同じく、高い吸引力が特徴の1つである。従来の他のロボット掃除機の多くは、バッテリーを消費しないよう出力が低く、非効率なモータを使用しているケースが多くある。これに対し、ダイソン 360 Eyeは毎分最大7万8000回転できる「ダイソン デジタルモーター V2(DDM V2)」を搭載しており、ゴミと空気を分離する「ラジアルルートサイクロンテクノロジー」により、0.5ミクロンもの微細なゴミを確実に捕まえることができるとのことで、掃除機で培ってきたノウハウをダイソン 360 Eyeにもきっちりと継承している。
また、ロボット掃除機の課題の1つである掃除漏れに対しても、独自開発の360度ビジョンシステムが威力を発揮する。従来のロボット掃除機の場合は、ランダムな動きで部屋全体を捉えようとするアプローチだったが、ダイソン 360 Eyeでは、360度ビジョンシステムにより、部屋の全方位を見渡して、部屋の形状や障害物などを把握。目印になる位置を認識しながら常に自分がどこにいるかを理解し、部屋全体をマッピングすることで、一度掃除した場所を掃除することなく、効率的に掃除が行える。本体上部には、赤外線センサーと連動して動作する全方位パノラマカメラを内蔵しており、複雑な数学や確率論、幾何学、三角法などを用いて的確な状況判断を実現しているとのことだ。
「基本的に四角い螺旋(らせん)を描くような経路で動作し、障害物を避けながらまだ掃除していない場所に移動していくため、1つの部屋から始まり、複数の部屋を順次掃除していくことができる」とダイソン氏。なお、掃除の途中でバッテリーが不足した場合は、一度充電ドックに戻り充電を行ってから、途中でやめた位置から掃除を再開できるとのことだ。
その他、ロボット掃除機との違いは、「ベルト駆動式転輪」を採用している点だ。従来のロボット掃除機の多くは車輪式であるため、走行性が低く、わずかな段差を越えられず途中で止まったり、コースから外れてしまったりするケースがあった。これに対し、ダイソン 360 Eyeでは「ベルト駆動式転輪により、段差に強くなり、カーペットとフローリングの境界で立ち往生したり、滑って変な方向に走行したりする心配がなくなった」(ダイソン氏)という。
さらに付随機能として、ダイソン 360 Eyeはスマホ連携も実現している。「Dyson Link」と呼ばれる無料専用アプリ(iOS/Android対応)により、掃除のタイマー予約、外出先から掃除の進行状況やどのような経路で掃除を行ったかの記録の確認などが行える。また、製品ガイド、トラブルシューティングの閲覧や、ダイソン 360 Eyeのソフトウェアアップデートを行うこともできる。
なお、日本の家庭環境をモデルに最終調整をすべく、同年9月30日までの期間、同社Webサイトで製品モニターを募集している(当選者へのお知らせは同年10月中旬を予定)。
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