ニュース
ルネサスが次世代サラウンドビュー向けSoCを開発、全方位をリアルタイムで認識:車載半導体(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは、次世代サラウンドビュー向けSoC(System on Chip)「R-Car V2H」を開発した。同社の車載情報機器向けSoC「R-Carファミリ」の技術を応用し、先進運転支援システム(ADAS)向けに展開する製品群の第1弾となる。
R-Car V2Hの事業展開で注目すべきなのが、開発環境としてGreen Hills Software(GHS)の統合開発環境「MULTI」やリアルタイムOS「INTEGRITY」を推奨していることだ。R-Car V2Hを搭載する評価ボード「BLANCHE」やSMK製の車載カメラモジュール、MULTIやINTEGRITYなどを組み合わせたBSP(Board Support Package)も用意している。
従来、R-CarファミリのBSPは、ルネサス自身が自社開発のLinuxなどと組み合わせて提供していた。今回のR-Car V2Hで方針を変更したのは「高い信頼性を持つINTEGRITYと組み合わせることにより、顧客に次世代サラウンドビューの早期開発を実現してもらえるようにするため」(大村氏)だという。他のOSを要望する顧客には個別に対応するとしている。
デモンストレーションも披露
会見ではR-Car V2Hのデモンストレーションも披露した。以下にその様子を紹介する。
ミニチュアカーに搭載した前後左右の車載カメラを使ったサラウンドビューの比較、左側は、VGAサイズのアナログカメラ+「SH7766」で、右側は1280×720画素のデジタルカメラ+「R-Car V2H」。右側のサラウンドビュー表示の方が、より高精細であることが分かる(クリックで拡大)
ミニチュアカーに搭載した、4個のWXGA(1280×800画素)サイズのデジタルカメラ+「R-Car V2H」のサラウンドビューが、周囲にある人物フィギュアをリアルタイムで画像認識している様子(クリックで再生)
関連記事
- 「自動車分野は中核事業」、ルネサスが9コア搭載の車載情報機器向けSoCを発表
ルネサス エレクトロニクスの車載情報機器向けSoC(System on Chip)「R-Car H2」は、合計9つのCPUコアを搭載するなど、車載情報機器向けSoCとして「世界最高性能」(同社)を実現している。「PowerVR G6400」による画像処理能力の高さを示すデモンストレーションも行った。 - ルネサス、統合コックピット向けソリューションでカーナビ用SoC「シェア75%維持目指す」
ルネサス エレクトロニクスは車載情報機器向けSoC「R-Car」の第2世代シリーズのミッドレンジ向け製品「R-Car M2」を発表した。同SoCは、パートナーとの連携を図りながら、ソフトウェアやツール類と組み合わせた提案を行い拡販する方針。現状、「ナビゲーション向けSoCで世界シェア75%」(同社)というポジションの維持を狙う。 - ルネサスの「R-Car」が次世代品で車載イーサネットに対応、量産開始は2015年
ルネサスは、車載向けSoC「R-Carシリーズ」の次世代品に車載イーサネットの制御回路を搭載して、2015年から量産を開始する方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.