スズキの「ワゴンR」がマイクロハイブリッド化、燃費向上も価格差は約23万円:エコカー技術(2/2 ページ)
スズキはハイトワゴンタイプの軽自動車「ワゴンR」に新開発の低燃費化技術「S-エネチャージ」を搭載する車種を追加した。マイクロハイブリッドシステムに相当するS-エネチャージにより、2WDモデルのJC08モード燃費は32.4km/l(リットル)を達成。さらに「ワゴンRスティングレー」には、新たな運転支援システムを追加した。
「セレナ」の「S-HYBRID」と同じマイクロハイブリッド
S-エネチャージのように、スターターモーターに走行アシスト機能を付与して燃費向上を図った車両としては、日産自動車のミニバン「セレナ」の「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」が挙げられる(関連記事:日産「セレナ」がマイクロハイブリッド化、燃費は4%向上の15.2km/lに)。S-HYBRIDのモーター出力は1.8kWで、S-エネチャージの1.6kWとほぼ同じである。ただしセレナは、リチウムイオン電池パックは使用しておらず、アイドルストップ車専用鉛バッテリーを2個搭載している。
S-HYBRIDの採用によって、セレナのJC08モード燃費は、それまでの14.6km/lから約4%向上して15.2km/lになった。
なおS-HYBRIDは、既存の車両に大幅な変更が必要ないこともあって「マイクロハイブリッドシステム」と呼ばれていた。スズキのS-エネチャージも、1.6kWという出力から考えればマイクロハイブリッドシステムの1種といえるだろう。
移動物が検知できるバックモニターも装備
今回の発表では、ワゴンRスティングレーに、新たな運転支援システムとなる「後退時左右確認サポート機能」と「自動俯瞰機能」を採用したバックモニターも、スマートフォン連携ナビゲーションとのセットでオプション設定した。
後退時左右確認サポート機能は、シフトをリバース位置に入れると。スマートフォン連携ナビゲーションの画面がバックモニターの画像に切り替わる。そして、自車両の後方に左右から近づいてくる車両や自転車、歩行者などを車載カメラで検知し、点滅表示やブザーでドライバーに知らせる。
自動俯瞰機能はバックで駐車する際に使用する。まずは、駐車枠の白線を検知し、自車両が白線と平行になるとスマートフォン連携ナビゲーションの画面内に駐車アイコンを表示して知らせる。さらに、認識した白線の後端から約1〜2m以内まで近づくと、駐車アイコンが点滅し上から俯瞰(ふかん)したような画像に自動で切り替わる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スズキのガソリンエンジン開発目標は平均熱効率で40%、2020年初頭に達成へ
軽自動車や小型車でクラストップの燃費を総なめにしているスズキ。現状に満足することなく、さらなる燃費向上を図る同社は、次世代軽量プラットフォームの導入やガソリンエンジンの平均熱効率40%の達成、「エネチャージ」の進化版「エネチャージII」と言えるハイブリッドシステムの開発に取り組んでいる。 - 「ワゴンR」の燃費が新技術で28.8km/lに、時速13km以下でアイドルストップ
スズキは、9月発売予定の新型「ワゴンR」に採用する新たな低燃費化技術として、リチウムイオン電池と高出力オルタネータを用いるブレーキ回生システム「ENE-CHARGE」と、アイドルストップ時にも蓄冷材を通して冷風を室内に送れる「ECO-COOL」を発表した。これらを使ったアイドルストップ機能と軽量化などにより、新型ワゴンRのJC08モード燃費は28.8km/lとなった。 - 日産「セレナ」がマイクロハイブリッド化、燃費は4%向上の15.2km/lに
日産自動車は、新開発のハイブリッドシステム「スマートシンプルハイブリッド(S-HYBRID)」を搭載したミニバン「セレナ」の新モデルを発売する。S-HYBRIDの搭載により、JC08モード燃費は現行モデルから4%向上し15.2km/lとなった。