NVIDIA、ワークステーション向けGPU「Quadro」の新ラインアップを発表:メカ設計ニュース
NVIDIAは、ワークステーション向けGPU「NVIDIA Quadro GPU」シリーズの新製品ラインアップに関する記者説明会を開催した。
NVIDIAは2014年8月21日、ワークステーション向けGPU「NVIDIA Quadro GPU」シリーズの新製品ラインアップに関する記者説明会を開催した。
主に、製造業、自動車産業、メディア&エンターテイメント、科学などのビジュアルコンピューティング分野での利用を想定しており、従来製品からGPUコア数の強化や搭載メモリの増強などを行い、最大2倍のアプリケーションパフォーマンスを実現する。さらに「Adobe CC」「Autodesk Design Suite」「Dassault Systemes SOLIDWORKS 2014」などのアプリケーション実行速度が、従来比で平均40%高速化されるという。
今回新たに発表されたのは、GDDR5メモリ8Gバイト搭載の「Quadro K5200」、同4Gバイト搭載の「Quadro K4200」と「Quadro K2200」、DDR3メモリ2Gバイト搭載の「Quadro K620」、DDR3メモリ1Gバイト搭載の「Quadro K420」の5つ。同シリーズの最上位モデルに当たる「Quadro K6000」は現行モデルのまま据え置きとなる。なお、ミドルレンジ向けのK2200とエントリー向けのK620は、Maxwellアーキテクチャを採用し、その他は従来同様Keplerアーキテクチャを採用する。
ビジュアルコンピューティング分野における近年のユーザー要求・課題について、同社 プロフェッショナル・ソリューション・ビジネス、プロダクトマーケティング部門のシニアディレクターを務めるサンディープ・グプテ(Sandeep Gupte)氏は、「トヨタ自動車、ホンダ、BMW、Audiなどの自動車産業、ディズニーやピクサーなどのアニメーションスタジオ、医療画像関連のGEヘルスケアやシーメンスなど、それぞれの分野のユーザーに話を聞いてみると共通の課題が挙げられ、そこからあるトレンドが見えてきた」と説明する。
その1つが、データの大容量化と複雑化への対応だという。どんなデータ形式でも、どんなサイズでも効率的に管理・処理できるパフォーマンスが要求されるという。「例えば、自動車デザインのエンジニアの場合、実車に近いイメージを確認しながら設計作業を行いたいというニーズがある。また、ハリウッド映画の世界でもHDレベルから4Kへ突入し、さらには6Kへのニーズが出てきている。こうなってくるとますますデータの複雑化は進んでいく」(グプテ氏)。
また、クラウド活用へのアプローチもポイントだという。例えば、設計チームが世界各地に分散しているような場合、クラウドを活用し、これらを効率的に管理して、パフォーマンスを最大化したいというニーズがある。さらに、タブレット端末の活用に代表されるように、さまざまなデバイス上で業務を行うシーンが増えてきている。そのような際、どのようなデバイスであっても適切なアプリケーション体験が提供できるパフォーマンスが要求される。
今回の新しいQuadroシリーズは、こうしたニーズに応え、ビジュアルコンピューティング分野におけるユーザー要求を満足させるための製品だいう。
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