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糖尿病を10分で検査できるキット、田中貴金属工業が中国やインドに提供へ医療機器ニュース

田中貴金属工業は、約10分で糖尿病を簡易検査できるスクリーニングキット「PersonalA1c(パーソナルエーワンシー)」を開発した。中国や台湾、インドで2015年の販売開始を目指す。

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 TANAKAホールディングスは2014年8月19日、田中貴金属工業が、約10分で糖尿病を簡易検査できるスクリーニングキット「PersonalA1c(パーソナルエーワンシー)」を開発したと発表した。

 PersonalA1cは、指先や歯茎から微量の血液を採取し、血糖状態の指標であるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の濃度を約10分で算出する。検出には、金コロイドを用いたイムノクロマト法を採用していて、短時間かつ低コストで検査できることがメリットだ。金コロイドとは、ナノレベルのサイズに加工した金の粒子を流体中に分散させたものである。


「PersonalA1c(パーソナルエーワンシー)」を用いた検査の流れ。採取した微量の血液を専用の溶液に加えて振るだけで、結果が出る(クリックで拡大) 出典:TANAKAホールディングス

結果の一例と判定の仕方(クリックで拡大) 出典:TANAKAホールディングス

 田中貴金属工業は、糖尿病患者が増加している新興国において、各国の企業とパートナー契約を結び、そのパートナー企業がPersonalA1cを販売する予定だ。まずは中国、台湾、インドで2015年の販売開始を目指している。その後はロシア、ブラジル、メキシコ、バングラデシュなどで販売を開始する予定だ。現在、台湾 Abnovaと既に契約を結んでいる。今後は台湾でPersonalA1cの再現性や正確性の評価を行っていく。販売目標は、販売開始5年で年間1200万個とする。

糖尿病患者、2030年までに約6億人に

 国際糖尿病連合によると、糖尿病患者数は2013年の時点で3億8200万人で、2030年までに5億9200万人に増加すると予測されている。成人の糖尿病人口は、中国が9840万人、インドが6507万人、米国が2440万人となっている。糖尿病は予防や早期発見が重要だが、HbA1c値の測定は病院や検査機関でしか行うことができず、簡易的な検査方法が求められていたという。PersonalA1cを使えば、自宅で簡単に検査を行えるようになる。

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