ボルボの新型「XC90」、モジュラープラットフォーム「SPA」を本格採用:ヘッドランプは「トールハンマー」
Volvo Cars(ボルボ)は、新型「XC90」が、同社のモジュラーコンセプトのプラットフォーム「SPA(Scalable Product Architecture)」を本格導入する初の車両になると発表した。併せて、「Thor Hammer(トールハンマー)」と呼ぶT字形状のデイタイムランニングライトを採用した、新型XC90のヘッドランプ周辺のデザインも公開した。
Volvo Cars(ボルボ)は2014年8月12日(欧州時間)、同月末に正式発表する予定のSUV「XC90」の新モデルが、新開発のモジュラーコンセプトのプラットフォーム「SPA(Scalable Product Architecture)」を本格導入する初の車両になると発表した。併せて、「トールハンマー」と呼ぶT字形状のデイタイムランニングライトを採用した、新型XC90のヘッドランプ周辺のデザインも公開した。
新型「XC90」のヘッドランプ周辺のデザイン。T字形状のデイタイムランニングライトのデザインは、北欧神話の雷神トールが持つ槌から「Thor Hammer(トールハンマー)」と命名された(クリックで拡大) 出典:ボルボ
SPAは、新型エンジンファミリー「VEA(Volvo Engine Architecture)」とともに、2011年から開発が進められてきたプラットフォームである。ボルボは、SPAとVEAの開発に110億米ドル以上を投資してきた。
SPAを導入するメリットは大まかに分けて2つある。1つは、ボルボの技術者やデザイナーが車両を開発する際に、進化した操作性や世界最高レベルの安全性、車室内スペースなどを犠牲にすることなく、新しく魅力的なデザインを取り入れられる点だ。ホイールベースやオーバーハング、車高、フロント部の高さといった、従来の車両デザインの制約にとらわれずに済むという。
もう1つのメリットは、パワートレインや電子システムなどの進化によって、将来的に車両構造を変更する必要が出てくる場合にも対応できる点である。新型XC90のパワートレインは、ターボチャージャー付きの排気量2l(リットル)のガソリンエンジンやディーゼルエンジンの他に、同社が「Twin Engine」と呼ぶプラグインハイブリッドシステムも選択できる。Twin Engineは、フロント側にスーパーチャージャーとターボチャージャーを搭載する排気量2lのガソリンエンジンを、リヤ側にモーターを搭載し、電池パックなども必要になる。一般的な車両では、こういったプラグインハイブリッドシステムを搭載すると、車室内のスペースや荷室の容積に影響が出るが、SPAではそういった心配は不要だとしている。
新型「XC90」の「Twin Engine」。フロント側にスーパーチャージャーとターボチャージャーを搭載する排気量2lのガソリンエンジンを、リヤ側にモーターを搭載する。最高出力は約400ps(294kW)を達成しながら、NEDC(新欧州ドライビングサイクル)ベースの二酸化炭素排出量は60g/kmと少ない(クリックで拡大) 出典:ボルボ
これらのメリットを有する一方で、60のクラスタから成るモジュラーコンセプトの採用により、さまざまなサイズ/タイプの車両を同じ生産ラインで製造できる。SPAに含まれているScalable(スケーラブル)という言葉は、このことに由来している。
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