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“未来のふつう”を具現化せよ! ――GUGENがモノづくりハッカソンを開催モノづくりハッカソン(2/2 ページ)

ピーバンドットコムは、実用性や商品性の高いアイデアを表彰し、その具現化をサポートするモノづくりプログラム「GUGEN」の一環として、都内でモノづくりハッカソン「Hirameki」を開催した。大賞にはLEDライトの光り方を共有するWebサービスを開発したチーム「LuminouShare」が輝いた。

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LEDの光り方を共有するサービス

 これらの審査の結果、大賞に輝いたのはチーム「LuminouShare(ルミナシェア)」だ。

 同チームのサービス「LuminouShare」は、LEDの光り方をWebサ−ビス上で共有し、かっこいい光り方をダウンロードしたり、アップロードできたりする仕組み。「LEDデバイスは広く普及しているが、光り方をデザインして付加価値のあるように販売できてはいない。またエンジニアもこのような光らせ方の工夫にリソースを使えていない。実際に顧客テストでも『このような“光らせ方のレシピ”のようなものがあれば活用したい』というコメントをもらうことができた」(同チーム)。

photophoto LED照明で彩ったスニーカー(左)と「LuminouShare」の仕組み(右)。スニーカーのようにカッコよく光るLED搭載グッズを用意する一方で「LuminouShare」そのものはオープンコミュニティーとして利用推進する方針だという(クリックで拡大)

 スマートフォンやPCなどそれぞれのデバイスから接続できるクラウドサービスとする。気に入った照明や服の色などを、カメラデバイスで読み取り、照明パターンとして記録していくことができる。Webサービスとしての「LuminouShare」そのものはオープンで無料のサービスとする。一方でチームLuminouShareのビジネスモデルとしては、対応する製品やモジュール、サービスなどの販売で行っていく方針だという。

photophotophoto スマートフォンのカメラデバイスなどを利用して気に入った色を照明色として記録可能(左)。PCでのLuminouShareのインタフェース(中央)。(右)はLuminouShareのビジネスモデル(クリックで拡大)

 大賞の審査について、審査員の評価は満場一致でLuminouShareに決まったという。田川氏は「これは使いたい」とコメント。林氏は「デバイスをいかに使うかという意味でいい着眼点だ。Pinterestのようなサービスへと発展させていってほしい」と話した。また大和氏は「コミュニティーの価値を高めていくことが重要になるだろう」と述べている。

“買い忘れ”を防止と、傘忘れ防止ソリューション

 優秀賞に選ばれたのは、買い忘れを防止する「Empty Alarm」を開発したチーム「You Show」と、傘の要/不要の確認や傘忘れを防止するソリューション「ボクぶれら」を開発したチーム「ボクぶれら」だ。

 「Empty Alarm」は、買い物時に切れた消耗品の存在を忘れ、買い損ねることを回避するためのソリューションで、買い物リストを自動生成して買い物時にスマートフォンに通知して知らせるというサービス。シャンプーやトイレットペーパーの蓄積場所にセンサーを取り付け、使用回数をセンシングすることで、残量を割り出し、なくなったら、スマートフォンに買い替えを通知するという仕組みだ。

 ビジネスモデルとしては「スーパーとの提携したクーポン発行」や「課金型」「ホテルなどB2B向けの提案とする」などの案があるという。「どうしても初期はコストが高くなるので、B2Bなどある程度付加価値を評価してもらえる市場でビジネスの立ち上げを行うことを考えている」(同チーム)としている。

photophoto 「Empty Alarm」の仕組み(左)とスマートフォンのインタフェース(右)。シャンプーやトイレットペーパーの残量がほぼリアルタイムで見える(クリックで拡大)

 一方、「ボクぶれら」は、傘に接続するデバイスで、天気予報と連動し出掛ける時に傘が必要かどうかを教えてくれる他、傘を置き忘れた時には「置いていかないで」と教えてくれるという製品だ。デモ機は、目玉を持った愛くるしい表情と声で、会場を沸かせた。

 「生活に必要なデバイス」としての役割の他に、「ボクぶれら同士のコミュニケーション」や「雨を用いた育成ゲーム」「あいあい傘アシスト機能」など、コミュニケーションツールやエンターテイメントツールとしての利用も想定しているという。

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「ボクぶれら」の試作機。スマートフォンとの連動で置き忘れ防止などを訴える(クリックで拡大)

将来のビジネスの有望なタネ

 今回のハッカソンではユーザーテストが条件として入っていたこともあり、ユーザーテストを行った結果、思ったような反応を得られず、全く製品を作りかえるケースもあったという。崔氏は「ビジネス化を目指す中では必要なことだ。ただ苦戦したチームもわずかな時間でよく立て直したと思う」と語る。

 また2013年に開催された「GUGEN2013」でも審査員を務めた林氏は「わずか3日間の取り組みで、GUGEN2013の1次予選に匹敵する製品を作り上げたチームもいくつかあり、レベルが高まっていることに驚いた。将来のビジネスにつながる有望な種を見付けることができた」と語る。

 また大和氏は「今回大賞や優秀賞に選ばれなかったチームも非常にアイデアは素晴らしかった。中小製造業は製品は作れてもアイデアがないというところも多い。今回のようなアイデアと、アイデアを求める中小製造業の架け橋となるような仕組みを考えていきたい」と話している。

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参加者、スタッフが集まった集合写真(クリックで拡大)

 大賞、優秀賞受賞チームは今後、賞金および開発補助を受けながらGUGEN2014の本戦に挑むことになる。

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