光センサーを自作して、Scratch 2.0で光の変化を捉えよう!:Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング(7)(2/3 ページ)
Webブラウザだけでプログラム開発から実行まで行える「Scratch 2.0」を用い、センサーの接続や外部デバイスのコントロールに挑戦! 今回は、LEDを使った光センサーを自作し、光変化をScratchで捉える実験に挑みます。
光センサーとしても使える発光ダイオード
今回の実験では光センサーに、電子の持つエネルギーを光に直接変換するデバイスである発光ダイオード(LED)を用いています。LEDは性質の異なる2種類の半導体を接合して作られており、アノードからカソードに電流が流れるときこの接合地点を電子が乗り越えるエネルギーが光として放出されるのです。
この逆もまた真で、この接合点に何らかのエネルギーを与えてやると、起電するのです。以前に本連載で紹介した圧電スピーカを振動センサーとして使えるのとちょっと似ています(Scratch 2.0で体験! お手軽フィジカルコンピューティング(3):圧電スピーカを利用した即席「ドラムパッド」を作ろう )。こんな風に1つのデバイスで2通りの使い方ができるなんて、なんだか得した気になりませんか。まさに一石二鳥って感じですよね。
というわけで、LEDが光センサーの代用になることをお分かり頂けたかと思いますが、LEDなら何でもいいというワケではありません。なるべく色の付いてないものを選んでください。外の光がすこしでも多く接合点に到達してほしいからです。
ただ、白色LEDは使えないかもしれません。白色LEDはいったん紫外線を発光させてそれを蛍光塗料に照射して白色光を出しているものもありますので、接合部に塗られた蛍光塗料のために、外の光が肝心の接合部まで届かないことがあり得るからです。それ以外のLEDであれば大丈夫だと思います。筆者はまだ知見を得ていませんが、発光する光の色に応じて光センサーとして反応する光の色にも違いがあるとすれば、カラーセンサーなどいろいろと応用ができそうですね。
ブレッドボードで回路を組み立てる
ブレッドボード(図3)を使った理由の1つは、ハンダ付けをしなくても手軽に電子工作の楽しさを体験して頂きたいという思いからです。ブレッドボードは図4のように内部で電気的に接続されているので、部品を差し込むだけで回路を作ることができます。
また部品を取り付けるホールの列には数字、行にはアルファベットのアドレスが振られています。本連載では便宜上、左側(図)の電源ラインの+を「P1」、−を「N1」とし、右側の電源ラインをそれぞれ「P2」「N2」とします。
ブレッドボードを始めとした、今回の回路作成に使用した部品は以下の通りです。価格と参考購入先は2014年7月下旬のものです。価格および在庫を保障するものではありません。
部品名 | 数量 | 参考価格 | 参考購入先 |
---|---|---|---|
ブレッドボードBB-801 | 1 | 200円 | 秋月電子通商 |
IC555(LMC555) | 1 | 30円 | 秋月電子通商 |
ダイオード(1N4148) | 1 | 2円 | 秋月電子通商(価格は50個購入時単価) |
LED(OS5RPM5B61A-QRなど) | 1 | 15円 | 秋月電子通商(価格は10個購入時単価) |
抵抗1.2KΩ | 1 | 1円 | 秋月電子通商(価格は100個購入時単価) |
抵抗2.4KΩ | 1 | 1円 | 秋月電子通商(価格は100個購入時単価) |
セラミックコンデンサ0.1μF | 2 | 15 | 秋月電子通商(価格は10個購入時単価) |
クリスタルイヤフォン(動作確認用) | 1 | 394円 | 秋月電子通商(価格は10個購入時単価) |
それでは早速ブレッドボードに回路を組み立てていきます。
最初は図5のようにジャンパ線を取り付けます。ジャンパ線は直径0.6mmのスズめっき線を適当な長さに切って両端を1cm程度、折り曲げます。ブレッドボールのホールの間隔は2.54mm(0.1インチ)ですのでその寸法にあわせてスズめっき線をニッパーなどでカットしてください。市販されている配線用のワイヤー(ジャンパーワイヤー)を使ってもいいでしょう。
次に図6のように比較的背の低い部品を取り付けます。ここでは抵抗2本とダイオードです。これらを、ジャンパ線を作成したときと同様、ホールの間隔を数えて適切な長さにニッパーなどでカットしてください。抵抗は2本ありますが、それぞれ値が異なりますので両者の差し違いに気を付けてください。
抵抗にはその値を示すカラーコード(色の帯)が塗布されています。茶赤赤は1.2KΩを、赤黄赤は2.4KΩを示します。このように色の配列で抵抗の値を示しています。詳しくは本連載では触れませんが、「抵抗 カラーコード」などで検索頂ければ、参考になるWebページが見つかると思います(関連記事:リード線付き抵抗器のカラーコードを読む)。もう一方のダイオードには極性がありますので注意してください。パッケージに線が入っている方がカソードです。
次に図7のようにそれ以外の部品も取り付ければ完成です。IC555にコンデンサ2本、光センサーとして用いるLEDです。これも背の低い順から取り付けていくと、作業が楽に行えますので、まずIC555を取り付けてください。
ただ、ICには向きがありますので気を付けてください。ICのパッケージを上から見た際、半月上のくぼみを上にして右上にある小さな丸いくぼみがある足が1番ピンです。以下ピン配列は図8を参考にしてください。次に2本のコンデンサですがこれは、両方とも値が同じで極性もありませんから、挿し込むホールの位置さえ間違わなければ大丈夫です。最後にLEDですが、これは極性がありますので注意してください。足が長い方がアノードです。
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