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みんなで考えれば恐くない! アイデアを生み出すブレインストーミング(その1)レイコ先生の「明日から使える! コミュニケーションスキル」(5)(2/3 ページ)

アイデアを生み出す手法の1つ「ブレインストーミング」。日本だけでなく全世界的に広く活用されており、アイデア創造の王道といえる。集団でアイデアを考えるこの方法では「4つのルール」と「6つのステップ」をしっかり理解することが重要になる。

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ブレストの4つのルール

 ブレストは、これだけ長い間活用されていますので、具体的な手順についてはさまざまなやり方があります。しかし、ブレストの根底にある考え方で守らなければならないルールがありますので、まずは以下の4つのルールをしっかりと理解しましょう。

図1
図1:4つのルール

批判しない

 ブレストでは他の人が出したアイデアを批判や否定してはいけません。批判や否定といった行為が、自由なアイデア創出を制限することになるからです。まずは、アイデアを出すことだけに集中して、アイデアの評価(判断)はしないということです。集団でアイデアを広げるためには、批判や否定といったネガティブな判断は留保するという考えが根底にあるのです。

自由奔放に考える

 何か発言をするときに、誰でも「良いことを言わないといけない」という心理が働いてしまいますが、ブレストではそんな心理がかえって邪魔になります。なぜなら、ブレストではとっぴなアイデアが歓迎されるからです。「このアイデアくだらないけど大丈夫かな」と思ったことでも、どんどん発言することが良しとされるのです。そのとっぴなアイデアがきっかけとなって、さらなるアイデアが誘発される可能性があるため、自由奔放にどんどん考えることを大切としています。

質よりも量

 発明王として知られるエジソンは、多くの発明を世に残しましたが、その影でアイデアがぎっしり書かれたノートを3500冊も残したと言われています。このエピソードは良いアイデアを生み出すためには、アイデアの量が大切であるということを物語っています。量が多いということは、それだけ選択肢が多いということです。選択肢の数とアイデアの質は比例するといっても過言でありませんので、ブレストではアイデアの質よりも量を重視します。

他の人に便乗する

 アイデアは、既にある要素(情報)の組み合わせから生まれるということが往々にしてあります。そのためブレストでは、他の人が出したアイデアに別のアイデアをくっ付けたり、他の人のアイデアをちょっと改善したりする「便乗」が推奨されています。ストーミング(嵐)という言葉が入っているように、他の人のアイデアに便乗して、アイデアという嵐をどんどん大きくしていくイメージです。

まずは、参加メンバーとテーマを設定する

 ブレストを始めるときに主催者がまずやるべきことは、「参加メンバー」と「テーマ」を設定することです。

多様性のあるメンバーを集める

 ブレストの参加メンバーを設定する際のポイントは、メンバーの多様性を確保することです。4つのルールにあるように、ブレストでは、自由奔放に考えること、アイデアの質より量が重視されます。さまざまなタイプのメンバーが参加している方が出てくるアイデアの量や幅が出ますので、メンバーの多様性が必要になってくるのです。

 同じ部署のメンバーだけでブレストをすると、普段の仕事で多くの暗黙知を共有しているため、自分たちが自覚している以上に視野が狭くなってしまい、なかなかアイデアが広がっていきません。できるだけ他部署の人にメンバーとして参加してもらうようにすることで、新しい視点からの斬新なアイデアが得られるようになります。さらに、可能であるならば社外の人にメンバーとして参加してもらうことで、より一層メンバーの多様性を確保できます。

 参加メンバーの設定する際のもう1つのポイントは専門家ばかり集めないということです。これも多様性ということに通じるのですが、Aというテーマでブレストをしようとしたときに、Aの専門家ばかりを集めてしまいがちです。「専門家=良いアイデアを出す」というイメージがあるからでしょう。ブレストでは、とっぴなアイデアが歓迎されるため、そのテーマに精通した専門知識だけでなく、素人目線のアイデアも必要となります。例えば、マーケティング部が主催して自社のWebサイトの改善をテーマにブレスをしようとした場合、社内や社外からWebサイトに精通した人ばかりをメンバーとして選ぶのではなく、経理部や営業部の中から、Webサイトにあまり詳しくない人もメンバーとして加える方が、アイデアは広がりやすくなります。

ある程度の制約を持たせたテーマを設定する

 参加メンバーが決まったら、次にやることはテーマを設定することです。テーマを設定する際のポイントは「制約」です。ブレストを主催する側としては「何でもいいからどんどんアイデアください!」というのが本音なのですが、それをそのままメンバーに伝えても上手くはいきません。人間は何でもいいからと言われるのが一番嫌だからです。

 例えば、「今週末何したい?」という問いかけ対して「何でもいいよ」という答えが返ってくることがよくありますが、これは、投げかける問いが漠然とし過ぎているので、答えも漠然としたものになってしまうためです。ブレストのテーマ設定でも、漠然としたテーマを設定してしまうと、出てくるアイデア自体も漠然としてしまい、なかなかアイデアの量が増えていきません。そうならないためには、ある程度の制約を設けたテーマ設定をする必要があるのです。具体例としては以下のような感じです。

良いテーマ設定:「3年後に主力商品となるような新製品のアイデア」

悪いテーマ設定:「新製品のアイデア」

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