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規制開始まで1年を切る「トップランナーモーター」についておさらいTECHNO-FRONTIER 2014 開催直前情報(1/2 ページ)

2015年4月から規制開始となる産業用モーターの「トップランナー基準」による省エネ規制。産業用モーターメーカー各社は規制に対応した「トップランナーモーター」のリリースを加速させている。注目が高まる中、あらためて産業用モータートップランナー基準についておさらいしておく。

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 2015年4月から開始されるトップランナー基準による省エネ規制。産業用モーターメーカーは、2015年4月以降、IEC(国際電気標準会議)規格でIE3(プレミアム効率)相当のモーターしか出荷できないことになる(関連記事:2015年春の規制開始に向け各社がトップランナー基準適合モーターをアピール)。

 「トップランナーモーター」による規制は、モーターにおける世界的な省エネ機運の高まりが根本にある。実は世界の用途別消費電力量を見ると、照明や家電品、熱変換機器などを抑えてモーターが最も多くの電力を消費しているという(図1)。その比率は全体の46%を占めており、モーターの省エネ化が消費電力量抑制に大きな役割を果たすことになる。

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世界の用途別消費電力量(出典:MOTOR SUMMIT 2012)(クリックで拡大)

主要各国でモーターの省エネ規制が開始

 これらの状況を背景に、主要各国でもモーターの消費電力効率についての規制が広がりを見せる。早期からIE2(高効率)クラスでの規制があった米国では2010年12月からIE3クラスでの規制を開始している。また欧州では2011年6月からIE2クラスの規制を開始。2015年1月から7.5kW以上のモーターにおいてIE3クラスの規制を開始する。また2017年には0.75kW以上への規制対象を広げる方針だ。その他、豪州やニュージーランド、韓国や中国、ブラジルなどについてもIE2クラスでの規制は開始されている。韓国や中国ではIE3クラスの規制を15年以降段階的に開始していく計画を示している(図2)。

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主要各国における規制の時期と適用される効率クラス(出典:JEMA)(クリックで拡大)

 一方日本では、従来インバータ技術と組み合わせたモーターシステム全体としての省エネルギーを推進してきたため、高効率モーターそのものの普及は進んでいない状況だった。

 しかし、ポンプや圧縮機、送風機などに利用されるモーターは家庭用と産業用を合わせると、毎年約1千万台が出荷され、1億台以上の台数が普及している。これらのモーターによる年間の消費電力量は、全消費電力量の約55%を占めるといわれている。加えて、産業用だけに限った場合でも、産業向けでの年間消費電力のうち産業用モーターの消費電力量の占める割合は約75%を占めており、全体の省エネ化を進めるにおいて、モーターの高効率化は避けて通れない問題になっていた(図3)。

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日本における消費電力量のうちモーターの占める割合と産業用分野における産業用モーターの占める割合(出典:資源エネルギー庁)(クリックで拡大)

 そこで、2013年11月に「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」により、産業用モーターがトップランナー制度の対象機器に追加。これにより、産業用モーターにおいても省エネ基準(エネルギー消費効率に関する目標基準値)が設定されることになった。2015年4月以降、モーターの製造事業者が出荷するモーターや輸入されるモーターは省エネ基準の達成を加重平均で義務付けられることになり、この基準が満たされない場合は販売できなくなる。

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