サムスンがスマートヘルスケアに本腰:やや乗り遅れた感はあるものの……?(2/4 ページ)
ヘルスケア向けリストバンド「Simband」を発表したばかりのSamsung Electronics(サムスン電子)。AppleやGoogleもスマートヘルスケア分野に積極的に乗り出す中、Samsungもやはり同分野に狙いを定めているようだ。
Googleは既に、ウェアラブル機器向けプラットフォーム「Android Wear」を発表している(関連記事:Appleよりも先に――Googleが新プラットフォームでスマートウオッチ開発へ)。Sohn氏は、Simbandは特にAndroidと連携しておらず、Tizenやその他のモバイルLinuxの変異型(ソフトウェア開発の提携先である英国企業TicTracが開発したものを含む)を採用する計画であると述べた。
Samsungが事業構想を発表した数日後、AppleはiOS 8の医療およびスマートハウス用APIである「HealthKit」と「HomeKit」を発表した(関連記事:「iOS 8」はヘルスケア管理アプリを標準搭載、データの一元管理が簡単に)。これらのAPIはオープンソースのソフトウェア「WebKit」の名称を反映している他、Broadcom、Cypress Semiconductor、Marvell Technology Groupをはじめとする多くの半導体およびソフトウェア企業が対応しているAppleの既存プログラム「Made for iPhone」を活用している。
米国の市場調査会社であるEnvisioneering Groupの社長であり、ベテランの技術アナリストでもあるRichard Doherty氏は、「Samsungは、デジタル医療革命の波に多少なりとも乗り遅れた感があるが、今後、何らかの切り札を使って消費者を引き付けることができるとみている。同社が半導体製造分野における強い影響力を利用して、極めて強力な生物医学センサーシリーズを提供することにより、市場参入へのハードルは確実に低くなるだろう」と述べている。
Sohn氏は、さまざまな経歴を重ねてきた。エンジニアである同氏は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でMBAを取得した後、Intelで10年間勤務している。その後、Agilent Technologiesなどのさまざまなメーカーにおいて主導的な地位を経験した。
同氏は、ARMやCadence Design Systems、Cymerなどにおいて取締役会メンバーを務めた後、当時新興企業であったInphiのCEO(最高経営責任者)として迎え入れられた。そして現在、Samsungが世界最大規模のエレクトロニクス企業として次なるレベルを目指す中、モバイル市場でAppleなどのメーカー各社と戦いを繰り広げるという重要な局面において、Samsungの優位性拡大をサポートしている。
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