ビスマス共晶はんだの欠点を克服、銅を使って粘りを高める:実装ニュース
メタル・アンド・テクノロジーは、白金と共同出願していた「高安定性ビスマス共晶合金」についての特許を取得したと発表した。2014年6月12日から無償サンプルの提供を開始する。無償サンプルは、縦106×横44×厚さ7mmで、重量が200〜250gになる。
メタル・アンド・テクノロジーは2014年6月10日、白金と共同出願していた「高安定性ビスマス共晶合金」についての特許を取得したと発表した。これに併せて同年6月12日から無償サンプルの提供を開始する。無償サンプルは、縦106×横44×厚さ7mmで、重量が200〜250gになる。
ビスマス共晶はんだは、スズとビスマスを用いる鉛フリーはんだで、融点が低いことを特徴としている。しかし、硬度が高過ぎて粘りが小さく、もろくクラックを生じやすいため、より高い粘りを求められる用途では利用できない。そこで、重量で1%程度の銀を添加して粘りを高める手法が採用されているが、銀が高価であるためコストの面での課題を抱えていた。
この他にも、金属合金のブロック体の形成中に、位置によってスズとビスマスの成分分布が異なることが多く、使用する部位によって強度にばらつきが生じるという問題もあった。
高安定性ビスマス共晶合金は、製造過程においてスズと銅の合金をいったん作り、その合金とビスマスを溶融させたものだ。従来のビスマス共晶はんだと比較して、粘り性を高めるために銀を添加する必要がなく、強度のばらつきも少なくなるという。
また、メタル・アンド・テクノロジーは、同社が開発した鉛フリーはんだ「カーボン・ソルダー」の技術を応用して、より粘り性の強い「カーボン添加を添加したビスマス共晶はんだ」も開発中だとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 進化を続ける「はんだ」、次世代パワー半導体やカメラモジュールの実装に対応
「ネプコンジャパン2014」では、エレクトロニクス製品の製造に用いられる最新の装置や部品・材料が展示され、各社がデモを交えて最新の機能を紹介した。本稿では、実装基板を接合する技術の基本である「はんだ」に関連した最新製品や技術について報告する。 - 良品作りのリフロー炉の操作方法と現場の人材育成方法(1)
プリント基板に電子部品を取り付ける実装ラインで、製造コストを抑えながら品質を確保することは容易ではない。本連載では、はんだ付けに用いるリフロー炉の操作方法や、実装ラインの品質を管理する現場の人材育成の手法について、具体的な実例を挙げながら解説する。 - 「熱する・溶かす・流す」はんだ付けの極意
今回は、はんだ付けの手順・ポイントを紹介しながらプリント基板に部品を取り付け、「H8Tiny-USB」を完成させる