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いまさら聞けないFL-net入門産業用ネットワーク技術解説(2/4 ページ)

オープンPLCネットワークの「FL-net(エフ・エル・ネット)」をご存じでしょうか。工場のさらなる高度化が進む中、工場ネットワークのオープン化は加速しています。その中でPLCの相互互換性を確保するオープンPLCネットワーク(OPCN)にも注目が集まっています。OPCNを実現する「FL-net」の誕生背景やメカニズム、活用シーンなどを解説します。

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FL-netのバージョン

 ここからはより具体的にFL-netの内容を見ていきます。本稿執筆時点でFL-netは登場から既に10年が経過しています。もともと現場の意見を集約して標準化された経緯から、現在では日本のコントローラー間通信の標準として幅広い分野に利用されています。2012年に登場したFL-net Ver.3ではコントローラーレベル通信にとどまらず、上位のコンピュータレベルや下位のデバイスレベルまでも取り入れようと改訂が行われています。しかし、実際のところは前述のようなネットワークの使い分けが好まれるためか、Ver.3として使われているケースは少ないように見えます。

バージョン
バージョンアップの状況とそれに付随する機能強化の内容

市販のスイッチングHUBやケーブルが使える

 FL-netでは物理層/データリンク層に一般的なコンピュータ通信で最も使われている「IEEE802.3イーサネット」が採用されました。特殊な通信インタフェースコントローラーや専用の通信ケーブルではなく、市販のスイッチングHUBやUTPカテゴリ5ケーブルが使えるので、便利でコストメリットがあります。

FL-netへ接続するにはどうするのか

 プログラマブルコントローラー(PLC)以外のコントローラーとしては、数値制御装置(NC)、ロボット制御装置(RC)、パソコン(PC)などもあり、メーカーオプションやサードベンダーアクセサリとしてFL-netへの接続手段が準備されています。

 PLCではCPUユニットと同じように、FL-netユニットを実装するとともに、局番(ノード番号)とメモリ設定を行います。FL-netでは特別なプログラムを製作する必要もなく、それだけで相互データ交換に参加できます。パソコン(PC)に至ってはオンボードのLANポートを介してFL-netを扱うことも可能です。実際にそのようなソフトウェアパッケージも市販されています。

FL-netの通信メカニズム

 FL-netのトランスポート層はUDP/IPで、FAリンクプロトコルと呼ばれるフレーム通信が行われます。実態はUDPブロードキャストパケットです。次の4つのUDPポートがフレームの種類に応じて使い分けられていて、このうちポート55003は送信に使用されるポートになります。

UDPポート
4つのUDPポート

 UDP/IPなので機器にはIPアドレスが存在し、192.168.250.1〜192.168.250.254(1〜254は後述するノード番号)で設定することが標準になっています。

最大254台の機器が接続できる

 FL-netを構成する個々の対応機器は、ノードと呼ばれます。ノードには重複しない番号を設定する必要があります。これをノード番号と呼んで機器の識別に使用します。ノード番号は1〜254の値で示され、つまり最大254台まで同時接続できます。誤って重複するノード番号が設定されていると、ネットワークに拒絶されて通信を確立できません。

マスターレスなネットワーク

 FL-netにはマスター、スレーブの関係がありません。全てのノードは対等な立場です。マスター/スレーブ通信制御方式の場合ですと、マスターとなる機器が通信回線の号令によって通信が確立します。では、マスターが不在となると、誰がどのようにFL-netの通信を確立するのでしょうか。FL-netでは全てのノードがネットワークへの参加シーケンスを持っていて、新規にネットワークへ参加する(新規加入)機能と、既に確立しているネットワークへ参加する機能(途中加入)があります。このためマスター不要でネットワークを確立できる仕組みになっているのです。

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