ホンダ「N-WGN」が安全性能総合評価で5つ星、軽自動車で初:安全システム
自動車事故対策機構(NASVA)は、平成25年度(2013年度)の「JNCAPファイブスター賞」の受賞車種を発表した。ホンダの「N-WGN」は、新・安全性能総合評価が採用された平成23年度以降で軽自動車として初受賞。最高得点の「JNCAP大賞」に輝いた「クラウン」は、衝突試験の様子を映像で公開している。
自動車事故対策機構(NASVA)は2014年5月9日、平成25年度(2013年度)の「JNCAPファイブスター賞」を発表した。2013年度前期に試験を終えた5車種のうち、同賞の対象となっていた、トヨタ自動車の「クラウン」とマツダの「アテンザ」に加えて、前期に試験を行った9車種から、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」、ホンダの「アコード ハイブリッド」と「フィット」、「N-WGN」、フォルクスワーゲングループジャパンの「ゴルフ」の計7車種が受賞した。
7車種のうち、最高の評価得点を得た車種が対象の「JNCAP大賞」には、189.7点のクラウンが輝いた。評価得点が170点以上で、これまでの最高得点を超えた軽自動車に与えられる「軽自動車部門JNCAP大賞」は、N-WGNが受賞。N-WGNは、新・安全性能総合評価が採用された平成23年度以降で、軽自動車として初となるJNCAPファイブスター賞獲得も実現している。
JNCAPとは、国内市場で販売している自動車の安全性を評価する自動車アセスメントのこと。米国のNCAP(New Car Assessment Programme)に対して、日本ではJNCAP、欧州ではユールNCAPが実施されている。
NASVAは、JNCAPの試験の安全性総合評価で最高評価となる5☆(ファイブスター)を得た自動車に対してJNCAPファイブスター賞を授与している。同賞に選定されるには、新・安全性能総合評価の得点で170.0点以上(満点は208点)が必要になる。また、1☆〜5☆で評価する、時速55kmで正面衝突させる「フルラップ前面衝突試験」、時速64kmで運転席側を衝突させる「オフセット前面衝突試験」、台車を時速55kmで横から衝突させる「側面衝突試験」、「後面衝突頚部保護性能試験」、「歩行者頭部保護性能試験」、「歩行者脚部保護性能試験」のそれぞれの評価が、最高評価から2段階以上下回っていないことが選定条件となっている。
外形寸法が限定される軽自動車の場合、高い評価得点を得にくいだけでなく、評価試験のうちいずれかの項目が3☆以下になってしまい、JNCAPファイブスター賞を獲得できないことが多かった。平成25年度の前期に試験を終了している軽自動車の評価得点を例に挙げると、ホンダの「N-ONE」が161.5点、スズキの「スペーシア」が149.6点だった。
トヨタは「クラウン」の衝突試験の様子を映像公開
トヨタ自動車は、JNCAP大賞に輝いたクラウンの衝突試験の様子を映像で公開中だ。衝突事故が発生した際にも、エアバッグなどによって乗員を模したダミー人形に掛かるダメージを最小限に抑えられていることが分かりやすくまとめられている。
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