ニュース
信越化学、ベトナムにレアアースマグネット工場を新設――需要対応とBCPから:工場ニュース
信越化学工業はベトナムにレアアースマグネット製造工場の新設を発表した。新工場の生産能力は年産2千トンで設備投資額は約120億円。
信越化学工業(以下、信越化学)は2014年4月21日、ベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)にレアアースマグネット製造工場の新設を発表した。
レアアースマグネットは、ハイブリッド車をはじめとする自動車用途や、省エネルギー型のエアコン、ハードディスクドライブなど幅広い用途で使用されており、今後も大きな伸びが見込まれている。信越化学では、以下の2つの点から新たな工場建設を決めたという。
1つは生産拠点を複数化し安定供給を確保することで、もう1つは自動車用途を中心に拡大が見込まれる需要を着実に取り込んでいくことだ。レアアースマグネットの製造工程は、「焼結」と「加工」の2つの工程に大別されるが、これまで信越化学のレアアースマグネットの生産拠点の中で焼結工程を有しているのは、福井県の武生工場の1拠点だけだった。今回ベトナムに新設する工場には、武生工場と同じく焼結工程を設ける予定で、同工程を複数化することでリスクの分散を図るという。また、新工場の建設により焼結工程の生産能力は約1.5倍となる。
関連記事
- タイプラスワン戦略におけるベトナム、職住近接の豊富な労働力はリスクを覆うか
ASEAN内の製造拠点に「タイプラスワン」の動きが高まる中、9000万人の大規模市場を抱えるベトナムに期待が集まる。しかしベトナムにはまだまだリスク要因が多いという。ASEAN事情に詳しい筆者が解説する。 - 2015年春の規制開始に向け各社がトップランナー基準適合モーターをアピール
2015年春の規制開始に向け各社がトップランナー基準適合モーターをアピール - 新構造で磁石レスモーターの課題を克服、トルク性能が永久磁石モーターと同等に
レアアースの高騰によって注目されている永久磁石を使わないモーターの1つに、スイッチトリラクタンス(SR)モーターがある。東北大学は、アキシャルギャップ構造の採用によって、SRモーターの課題だったトルク性能を永久磁石モーターと同等レベルまで引き上げた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.