フェラーリが「カリフォルニアT」を日本初公開、「F40」以来のターボを搭載:エコカー技術
フェラーリ・ジャパンは、「ジュネーブモーターショー2014」で発表したばかりの新型スポーツカー「カリフォルニアT」を日本国内で初披露した。最大の特徴は、「F40」以来、27年ぶりとなるターボエンジンの搭載である。
フェラーリ・ジャパンは2014年4月17日、東京都内で会見を開き、同年3月の「ジュネーブモーターショー2014」で発表したばかりの新型スポーツカー「カリフォルニアT」を日本国内で初披露した。価格は2450万円。
カリフォルニアTは、収納可能なリトラクタブルハードトップを搭載するカブリオレタイプの車両(オープンカー)で、運転席と助手席の他、後席に2人乗車できる2+2タイプのレイアウトを特徴としている。2009年発売の「カリフォルニア」(2012年のマイナーチェンジ後は「カリフォルニア30」)の後継モデルとなる。
最大の特徴は、新たに開発した排気量3.8l(リットル)のV型8気筒直噴ターボエンジンを搭載したことだ。最高出力は412kW(7500rpm)、最大トルクは755Nm。加速時間は、時速0〜100kmが3.6秒、時速0〜200kmが11.2秒で、最高速度は時速316kmとなっている。
従来モデルのカリフォルニアのエンジンは排気量4.3lのV型8気筒自然吸気エンジンだったが、カリフォルニアTではターボチャージャーを採用して、排気量の低減と出力/トルクの強化を実現した。従来比で最高出力は14%、最大トルクは49%増加した。その一方で、排気量の低減により燃料消費量が15%低減され、100km当たり10.5l(9.5km/l)になったという。CO2排出量も、カリフォルニアの270g/kmから250g/kmに低減された。
ターボチャージャーを搭載する上で解決すべき課題は2つあった。1つは、いったん減速した後で再加速しようとする際に、ターボチャージャーの動作が遅延するターボラグの低減である。ツインスクロールタービンと、F1レースカーの知見を反映し内部抵抗を抑えたフラットプレーンクランクシャフトの採用により、「実質的にターボラグを取り除くことに成功した」(フェラーリ)という。可変ブーストマネジメントソフトウェアにより、トランスミッションの変速段数に合わせてトルクの発生を調整する機能も備えている。
もう1つの課題は、フェラーリらしいエンジンサウンドの実現である。ターボチャージャーを搭載するエンジンではこういったサウンド制御は困難だが、フラットプレーンクランクシャフト、3ピース鋳造エギゾーストマニホールド、ターボハウジングなどの主要部品を精密に設計し、高度な生産技術によって製造することで対応した。
なお、フェラーリが市販車両のエンジンにターボチャージャーを採用するのは1987年発表の「F40」以来、27年ぶりとなる。
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