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革新的原価低減に必要な“ものの見方と考え方”〔中編〕実践! IE:磐石モノづくりの革新的原価低減手法(2)(3/5 ページ)

革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について解説する「磐石モノづくりの革新的原価低減手法」ですが、今回は第1回に引き続き、この取り組みに必要な“ものの見方と考え方”について解説します。

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“次工程はお客さまです!”の実践

 品質管理活動の在り方として、先輩から教えられた言葉の1つに『次工程はお客さまです 』という言葉があります。例えば、不良品の混じった製品を次工程に渡してしまうと工程が混乱を起こすばかりでなく、手戻りが発生し次工程に対して品質も納期も守っているとはいえません。このような状況が起こらないように、次工程が満足できないものを送ってはならないという戒めの言葉です。モノづくりに携わる人なら誰でも知っている「次工程はお客さま」ですが、実践していると自信を持って言える人は一体どれくらいいるのでしょうか。

 「次工程はお客さま」が必ずしも製造現場で守られていない要因の1つとして、企業内の競争意識のなさがあるように思います。企業内には同じような加工や組み立てを行っている職場はほとんどの場合1カ所しかありません。ある意味で“独占”工程であるわけで、競争原理が働いていない点、技術的側面が優先され過ぎて次工程に対する“思いやりの心”が忘れ去られている点などが、課題として存在しています。

 また、相手が顧客であれば丁寧に対応するにもかかわらず、同じ会社や同じ職場という中途半端な仲間意識が、次工程を軽視し企業内の甘えを助長しているともいえます。このような意識や悪癖を速やかに払拭して、一人一人が「自分の工程の責任を果たす」という考え方をベースにしたモノづくりを定着させる必要があります。前工程の品質が悪ければ、後工程で品質の良いものを作り出すことは決してできません。最終的には顧客へ品質の悪い製品を納入することになることを肝に銘ずるべきです。

 以下へ「次工程をお客さま扱いしたモノづくり」の要件を列挙しました。

次工程はお客さま

 自分の工程の責任は何かをあらためて確認し、次工程が満足できないものを決して供給しないことが重要です。また、企業の仕組みとして、品質や納期に関して要求通りでないものは、前工程から決して受け取らないことを徹底して実行していくことも解決策になります。そして、後工程は、前工程に対しての要求事項を明らかにし、発信していくことも必要になってきます。次工程、つまり“お客さま”の要求水準に応え、それらを少しずつ高めていくことにより、継続的に質の高いモノづくりが成し遂げられるようになります。

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