革新的原価低減に必要な“ものの見方と考え方”〔中編〕:実践! IE:磐石モノづくりの革新的原価低減手法(2)(1/5 ページ)
革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について解説する「磐石モノづくりの革新的原価低減手法」ですが、今回は第1回に引き続き、この取り組みに必要な“ものの見方と考え方”について解説します。
IE(Industrial Engineering)を基に、革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について分かりやすく解説する本連載。前回の「革新的原価低減に必要な“ものの見方と考え方”〔前編〕」に引き続き、今回も革新的原価低減手法の基盤となる“ものの見方と考え方”についてご紹介します。
「形」だけをまねるあやうさ
“ものの見方や考え方”について、それほどこだわる必要がないように思えるかもしれませんが、実は改善を進めていく際には非常に重要な要素となります。例えば、他社の製造現場を見学した際に、自社でも効果のありそうな改善ポイントを発見したとします。そのことをメモして早速自社の現場で試してみたが思うようには上手くいかなかったという経験が、製造現場の方々なら誰しもあるのではないでしょうか。
その原因の多くは、他社の事情を知らずして単に「形」だけをまねただけに終わっているからです。大切なことは、見学先の製造現場がどのような不具合や課題を抱え、どのようなことを検討して結果に至り、現在の改善の「形」に変更したか、という経緯に関心を寄せることです。そして、その考え方を学びそのことをベースとして自社の状況と対比して改善案を検討します。その結果として同じ改善の「形」がベストなのかどうかが判断できるようになります。
製造現場においては、このような考え方や見方を持つことが大切で、表面的な「形」や、「今まではこうだから」というような習慣だけで判断してはいけません。「ナゼだろう? 」と、何事にも疑問を持つことが「革新的原価低減に必要な“ものの見方と考え方”」を醸成していく効果的な方法です。今回の内容もぜひその一助としていただければと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.