「BMW i3」のCEV補助金、レンジエクステンダー搭載モデルがベースモデルの2倍に:法の抜け穴?(1/2 ページ)
BMWの電気自動車(EV)「i3」の国内顧客向けの納車が間もなく始まる。i3は、EVを購入する際に政府から得られる「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)」の対象車だが、その金額はベースモデルが40万円であるのに対して、レンジエクステンダー搭載モデルは2倍近い75万円となっている。
BMWの電気自動車(EV)「i3」の国内顧客へ納車が2014年4月5日に始まる。i3の税込み希望小売価格は、満充電状態から130〜160km走行できるベースモデルが499万円、走行距離を約300kmまで伸ばせる排気量647ccのレンジエクステンダー用エンジンを搭載するモデルは546万円である(関連記事:「BMW i3」の国内販売モデル、急速充電機能はCHAdeMO方式で対応)。
i3は、EVを購入する際に政府から得られる「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)」の対象車でもある。CEV補助金を担当する次世代自動車振興センターは、i3のCEV補助金の額を発表している(対象車両の補助金交付額一覧)。
それによると、ベースモデルのCEV補助金が40万円であるのに対して、レンジエクステンダー搭載モデルは2倍近い75万円となっている。ベースモデルとレンジエクステンダー搭載モデルの希望小売価格の差は47万円あるが、CEV補助金を含めた実質価格はベースモデルが459万円、レンジエクステンダー搭載モデルは471万円となり、差額は12万円に縮まる。
2014年4月以降の時点でCEV補助金が75万円以上なのは、トヨタ自動車の「eQ」(77万円)やホンダの「フィットEV」(85万円)など限定的にリース販売している車両を除くと、三菱自動車の「i-MiEV」の「Xグレード」、「ミニキャブ・ミーブ」の「16.0kWhグレード」(両車とも85万円)、テスラモーターズの「モデルS」(85万円)などに限られる。
日産自動車の「リーフ」のCEV補助金は78万円あったが、2014年3月28日の料金改定以降は53万円に減額された(関連記事:25万円値下げの日産「リーフ」、補助金削減と消費増税で実質価格は値上がり)。
i3のレンジエクステンダー搭載モデルは、プラグインハイブリッド車(PHEV)として扱われている。PHEVのCEV補助金を例に挙げると、トヨタ自動車の「プリウスPHV」が25〜30万円、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」が30〜35万円、ホンダの「アコード プラグインハイブリッド」が41万円。ポルシェ ジャパンが2014年4月2日に発表した、税込み価格が1500万円以上の「パナメーラS E-ハイブリッド」も67万円である。
なお、平成25年度(2013年度)のCEV補助金の申請期限は2014年3月7日だったが、予算を繰り越して同年8月7日まで延期されている。もちろん、4月から納車が始まるi3も申請が可能だ。
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