「Intel Galileo」ファーストインプレッション:アイデア・ハック!! Arduinoで遊ぼう【番外編】(2/4 ページ)
インテルが2014年1月に発売したArduino互換開発ボード「Galileo(ガリレオ)」。今回、Arduinoの連載を執筆している縁で、Galileoのレビューをする機会を得た。本編と同様、電子工作初心者の視点で、Galileoのファーストインプレッションをお届けする。
じっくり観察&しっかり情報収集
サングラスをかけた男性のイラスト(Galileoさん?)を見つめて、途方に暮れていても仕方がないので、インターネットで情報収集して、Galileoと向かい合うことにしましょう!
Galileoは、Pentium(x86)互換の組み込みシステム向け低消費電力SoC「Intel Quark SoC X1000」(400MHz)を搭載した、Arduino互換開発ボードです。8MバイトのフラッシュROMには、軽量Linuxがインストールされています。256MバイトのDRAMを搭載し、SoC内に512KバイトのSRAMも統合されています。また、インタフェースとして、Mini PCI Express、イーサネット、microSDカードスロット(SDIO)、USB 2.0(クライアント/ホスト)、UARTポート、JTAGポートなどが実装されています。
I/Oポートは「Arduino UNO」に準拠しており、Arduino用のシールド(拡張基板)を使うことができます。また、プログラム(Arduinoでは“スケッチ”という)もほとんど変更することなく流用可能です。
画像7を見て分かるように、Arduino UNOと比較すると、サイズはかなり大きめですね。インタフェースが充実しており、イーサネットシールドを別途用意しなくともネット接続できるのがうれしいポイントでしょうか。ボードの裏面にあるMini PCI Expressカード用の拡張スロットに、Wi-Fi、Bluetooth、GSMなどのカードを挿入して通信を行ったり、SSDを接続してストレージを増やしたりといったことができます。Wi-Fiカードを挿入すれば、ArduinoのWi-Fiライブラリも使えるそうです。
Galileoを使用する際の注意点としては、第一に電源の扱いがあります。Arduinoは、USBケーブルでPCと接続するだけで使用可能ですが、Galileoは専用のACアダプターが必須です。先に、ACアダプターを接続し、その後で、USBケーブルでPCと接続します。外す際は、この逆順となります。この手順を守らないと、「最悪、Galileoが壊れることもある」と公式サイトで警告されています……(こうした大切な情報は、パッケージ内にも記述してほしいところ)。
また、Galileoは電源ケーブルを外すと、Arduinoのスケッチが消去されてしまいます。コイン電池接続ピンを使って、外部電源を供給しておけば、スケッチが消えることはないのかもしれませんが……。このあたりはテストしていないので、現段階では明言できません。コイン電池は、オンボードリアルタイムクロックを使うときに使用するようです。
Galileoには、リセットボタンとリブートボタンが用意されています。Arduinoのスケッチのみを再起動したいときはリセットボタンを、Linuxから再起動したいときはリブートボタンを押します。ちなみに、リブートするとArduinoのスケッチは消去されてしまいます。
次に、データシートでGalileoとArduino UNOを比較してみます(表1)。
データシートの数値からも分かる通り、CPUの処理速度は、Galileoの方が圧倒的に速いことが分かります。Linuxがあらかじめ8MバイトのフラッシュROMに搭載されている点も見逃せませんね。ただし、これは非常に軽いLinuxディストリビューションです。もしも、Linuxのフル機能を活用したい場合は、microSDカードに高機能なLinuxを入れて、SDカードイメージからブートする必要があります。microSDカードの容量は、最低4Gバイトを推奨し、最大32Gバイトまでサポートしています。
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