最大5Wの定格電力に対応するシャント抵抗器、ロームが10倍に増産へ:車載電子部品
ロームは、自動車や産業用機器などに用いられる大電力システムの電流検出用途に最適なシャント抵抗器「PSRシリーズ」を開発した。今後の需要拡大を見越して、現在の月産10万個の10倍となる同100万個に増産する予定。
ロームは2014年3月25日、自動車や産業用機器などに用いられる大電力システムの電流検出用途に最適なシャント抵抗器「PSRシリーズ」を開発したと発表した。最大で5Wの定格電力に対応する「PSR500」、同4Wに対応する「PSR400」を用意している。2013年10月からタイ子会社のROHM Integrated Systemsにおいて、月産10万個で量産を開始していたが、今後の需要拡大を見越して月産100万個に増産する予定。
大電力に対応するには、0.2mΩという超低抵抗領域でも高い測定精度を実現する必要がある。そのためには、電極の銅と抵抗体金属をつなぐ溶接部がバラツキなく接合されていなければならない。PSRシリーズは、独自の精密溶接技術の採用により、抵抗体金属と厚い銅電極を接合し、高い放熱性と熱容量を持った構造を実現した。
また、抵抗体金属に高機能合金材料を採用することで、低抵抗領域でも優れた抵抗温度係数(TCR)を達成した。このため、幅広い動作温度範囲が求められる自動車や産業用機器にも余裕を持って使用することができるという。
外形寸法は、PSR500が15×7.75mm、PSR400が10×5.2mm。抵抗値範囲は、PSR500が0.2/0.3/0.4/0.5/1.0/2.0mΩで、PSR400が0.3/0.5/1.0/2.0/3.0mΩとなっている。抵抗温度計数は、PSR500の0.2mΩが±225ppm/℃、0.3/0.4/0.5mΩが±150ppm/℃、1.0/2.0mΩが±75ppm/℃。PSR400の0.3/0.5mΩが±175ppm/℃、1.0/2.0/3.0mΩが±75ppm/℃。使用温度範囲は−55〜170℃である。
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