タダって思ったよりも高い!? 無償&廉価3Dツールとの付き合い方:3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(32)(1/2 ページ)
専門家ではなくても手が届きやすいデジタルツールである、無償3次元CADや個人向け3Dプリンタだが、やはり「無償」や「廉価」であるのには理由がある。次々と起こる問題を自力で解決できないと、使いこなせないかも。
最近、3Dプリンタブームは一段落してきたようですが、3D-GANには、引き続き3Dプリンタや3次元データを活用したビジネスに取り組むための相談に来られる方は継続的にいらっしゃいます。お祭り騒ぎのような熱が冷め、「真面目に着実に取り組みたい」という実需が引き続いているように思います。
2014年2月15〜16日には、大雪の中、一般の方向けに拙著「自宅ではじめるモノづくり」をテキストにセミナーを開催しましたが、おかげさまで熱心な参加者に恵まれました。次回開催も計画中です。
3次元CADでモデリングをしたり、実際にモノも作ることが、だんだん身近になりつつある今、「無償の(安価な)3次元CAD」と「パーソナル3Dプリンタ」の存在を否定する人はいないのではないでしょうか。
特に、これまで趣味で使うにはあまりにも高価であった3次元CADですが、機能限定であるとはいえ、「タダ」ということは非常に大きいですね。しかも、使い方も容易。もちろん、それでも難しいという声はあるものの、このようなツールがあるかないか、ゼロかイチかは大きな違いです。
とはいえ、無償3次元CADには、さまざまなトラブルがあるのも確か。やはり、無償であるだけに、自分なりの頑張りが必要なのも確かです。
自助努力が大前提
無償3次元CADの大きな利点は、もちろんソフトをダウンロードすれば、それですぐ使えるようになることです。無料ですから、インストールメディアとしてのCDやDVDがあるわけがなく、むしろ手軽ですらあります。数百メガとかのファイルの大きさがありますが、ブロードバンドが普及してきた昨今では、大した問題ではありません。
さらに、無償3次元CADはWindowsやMacでもOKなものもあります。現代の環境に非常にマッチしているといえます。インストールもウィザード式で数クリックするだけで、もう起動してしまいます。そんなわけで、私が所有する全てのWindowsにもMacにも3次元CADがインストールされているという始末です。
しかし、そこはソフト、やはりトラブルは起きます。例外なく私にも起きます。例えば……、先日、新しいPCを買いました。新しい3次元CAD(業務用)の導入のために新調したのです。その際に、OSもWindows8.0になりました(諸事情により、まだ8.1にはしていませんが)。
ここからは、123D Designを例にとってお話ししていきます。
マシンを変えて123D Designを起動するなり、いきなり発生したのがこの現象です。このようなメッセージが……(図1)。
メッセージは、「Failed to load Autodesk Material Library. Application will not run properly. Please reinstall it.」と出ています。「『Material Library』が読み込めないよ。ちゃんと動かないよ」ということです。
言われた通りに再インストールをしたのですが、一応、それでもAutodesk123D Designは起動しますし、操作も普通にできます。ですが、いざモデリングを始めてみるとこんな問題が起きてしまいます(図2)。
なぜかアウトライン表示になってしまいました。いくらソリッドをモデリングしても、ずっと表示がこのままなので、さすがに困ってしまいました。
こういう時に、購入したソフトウェアであれば、取りあえずメーカーのサポート窓口があることが普通です。しかし、123D Designのような無償のものは、そのようなものはありません。基本的には自助努力です。
まあ、タダなんであんまり強いことも言えないですし……。
Web上にいる仲間に助けてもらおう
時折、私にSNS(FacebookやYouTubeなど)のダイレクトメールや、出版社経由で、123D Designの困った現象の解決方法について質問をいただくことがあります。私はベンダーの担当者ではないので、あくまで分かる範囲のことになりますが、なるべくお答えしていますし、時間の許す限りで調べたりもしています。しかし、自分の本で説明した内容の範囲と違って、ソフトウェアの不具合となると、分からないことがどうしても多くなるのも事実です。
でも、私が調べた結果やら何やらをお伝えすると、質問された方自身もいろいろと調べてくださって、その結果をフィードバックしていただくこともあり、結果、私にも新たな知識が身に付くということがありますので、結果的には双方向にメリットがあったりします。
……というように、無償CADのように開発元からの直接の支援が得られない場合は、自助努力と合わせて、仲間との助け合いも重要なポイントになります。
オートデスクでも図3のようなサポートサイトを用意しています。
世界各地のユーザーが、こちらのフォーラムで情報を共有しています。ただし、当たり前ですが英語でのコミュニケーションになるので、そこに苦手意識を持たれる方もいるかもしれません。しかし、幅広く123D Designに対する疑問と解決方法を得るには今のところこちらしかありません。
ただし最近はGoogle翻訳の精度もだいぶ向上してきているようです。文章を丸ごと放り込んでも、最低限、何となく意味が分かる程度には翻訳してくれます。いったん自分の書いた日本語をGoogle翻訳で英語にしてみて、後は中学や高校で習った英文法程度の知識で眺めれば、なんとかなると思うのでぜひトライしてみてください。
調べていくと自分が疑問に思っていることや、困っていることと同じ状態になっている人の質問を見つけることができるかもしれません。さらに、うまいこといけば解決方法も見つけられるでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.