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3輪タイプの新走行体が登場――2部門3クラス制で生まれ変わる「ETロボコン2014」「EV3」の登場は2015年から(2/3 ページ)

ETロボコン実行委員会は「ETロボコン2014」開催説明会を実施。「アーキテクト部門」が新設された前回大会と同様、2014年大会も走行競技の内容が一部変更され、さらに新走行体「NXTrike」も登場する。

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新走行体がベールを脱ぐ!

 前回大会から追加されたアーキテクト部門。そして、今回、新たに発表されたデベロッパー部門のプライマリークラス/アドバンストクラスのクラス分けにより、参加者のレベルと目的に応じた幅広いエントリーが可能となったETロボコン2014。さらに、「新しい課題への挑戦」として“新走行体”の追加が発表された。

 従来、ETロボコンというと「LEGO MINDSTORMS NXT」を用いた倒立二輪走行体が基本であったが、ETロボコン2014では新たにトライク型の「NXTrike(エヌエックストライク)」を準備。アドバンストクラスとアーキテクト部門の走行体として採用した(アーキテクト部門の場合は倒立二輪走行体との選択が可能)。

これが新走行体「NXTrike」だ!
これが新走行体「NXTrike」だ! まるでバイクのようだ
「ETロボコン2014」競技内容
「ETロボコン2014」競技内容

 新走行体であるNXTrikeの特徴について、ETロボコン本部技術委員長 江口亨氏は「昔のオート3輪のような形を採用した。後輪は独立駆動で、ギヤ比を3種類から選択可能。従来の倒立二輪走行体と比較して最大5倍の速さで走れる」と説明。参加者の走行戦略に合わせて、ギヤ比を1倍(トルク重視)、3倍(バランス重視)、5倍(スピード重視)から選択できるようにした。また、走行パターンも通常の「3輪走行」、アクロバティックな「ウィリー走行」に加え、走行体の後方上部に付いている補助輪を用いた「尻尾走行」が可能だ。「ウィリー走行の難易度は高いため、参加者のチャレンジ課題の1つと考えている」(江口氏)。

新走行体「NXTrike」の特長
新走行体「NXTrike」の特長。「NXTrikeは、新たに部品を追加購入することなく、従来の倒立二輪走行体のパーツの組み換えで作ることができる」(江口氏)

 ステアリングは、ねじ歯車とはす歯車を組み合わせたウォームギアステアリングを採用。倒立二輪走行体と異なり、急な方向転換が難しくなり難易度が上がっているという。また、重心が高く設定されているので高速でカーブに入ると転倒する可能性もある。「NXTrikeは、従来の倒立二輪走行体とは特長が大きく異なるので、常連チームでもノウハウがない状態。つまり、皆同じスタートラインで大会に参加できる」と江口氏。

ギヤ比走行パターン (左)ギヤ比/(右)走行パターン ※画像クリックで拡大表示

 さて、読者の中には「なんだ『LEGO MINDSTORMS EV3』じゃないのか!」と残念がっている方もいるかもしれないが、開発環境の準備がまだ整っていないため、「2015年大会から利用できるよう準備を進めている」(江口氏)とのことだ(関連記事:発売前の「教育版レゴ マインドストーム EV3」を一足お先に触ってきた!)。

NXTからEV3へ
NXTからEV3へ。現在使っているNXTについては、2015年大会まで使える予定
動画 ライントレースをしているNXTrikeは、ギヤ比1倍の最も遅いもの。前輪のウォームギアステアリングがハンドルを切りながら走行している様子が分かる。後輪は左右独立駆動なのでうまく左右差を制御しないとカーブを曲がれない。一方、高速に動いている(デモではリモコン操作)のがギヤ比3倍のNXTrike。非常に高速なのが分かる。急に曲がろうとすると転倒してしまう。なお、ギヤ比5倍のデモは見ることができなかった

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