Dellは好調、ソニーは苦戦――明暗分けた2013年国内PC市場:VAIOはやっぱり……
国内クライアントPC市場の2013年の年間出荷台数は、辛うじて前年比プラス成長(0.2%増)となった。しかし、国内クライアントPC市場をセグメント別で見てみると、家庭市場とビジネス市場とで明暗がはっきりと分かれていることが分かる。
IT専門調査会社のIDC Japanは2014年2月12日、日本国内におけるクライアントPC市場の2013年(1〜12月)および2013年第4四半期(10〜12月)の出荷台数の実績値を発表した。
国内クライアントPC市場の2013年の年間出荷台数は1562万台で、前年比0.2%増。2013年第4四半期だけで見てみると、出荷台数は435万台で前年同期比17.8%増となった。
2013年、クライアントPC市場は家庭向けとビジネス向けで明暗
国内クライアントPC市場の2013年の年間出荷台数は、辛うじて前年比プラス成長(0.2%増)となった。しかし、国内クライアントPC市場をセグメント別で見てみると、家庭市場とビジネス市場とで明暗がはっきりと分かれていることが分かる。
2013年の国内クライアントPC市場の出荷台数の内訳は、家庭市場が前年比22.3%減で586万台。一方、ビジネス市場は同比21.4%増の976万台であった。家庭市場はタブレット端末の普及などが大きく影響し、マイナス成長。これに対し、ビジネス市場はアベノミクスによる景況の改善と、サポート終了期日(2014年4月)が迫る「Windows XP」からの買い替え需要が大きく後押しして2桁成長を遂げた。
この結果はベンダー別の動向からも見てとれる。2013年のベンダー別動向は、ビジネス市場に強いDellが好調。Windows XPからの買い替え需要を的確に捉え、前年比28.5%増と2桁成長を遂げた。対して、家庭市場向け出荷比率の高い、ソニー、Acer、ASUSなどは苦戦を強いられマイナス成長となった。
2013年第4四半期、Windows XPからの買い替え需要が大きく影響
Windows XPからの買い替え需要が大きく影響した2013年だが、特に顕著なのが同年第4四半期だ。ビジネス市場では前年同期比で51.1%増の277万台を記録。これは、大企業だけでなく、中小企業、公共といった全てのセグメントでWindows XPからの買い替え需要が進んだ影響によるものだと考えられる。一方、慢性的な不振で出口の見えない状態が続く家庭市場は、同比15%減の158万台。家庭市場が足を引っ張る形になったが、好調のビジネス市場がその穴を埋め、2013年第4四半期全体では前年同期比17.8%増の435万台となった。
2013年第4四半期のベンダー別シェアでは、第1位がLenovo NECグループで出荷台数114万台(前年同期比29.3%増)、第2位が富士通で出荷台数89万台(同比24.3%増)、第3位が東芝で出荷台数53万台(同比6.8%増)、第4位がDellで出荷台数48万台(同比51.9%増)、第5位がHPで出荷台数41万台(同比26.2%増)となった。
家庭市場での落ち込みを最小限に食い止め、ビジネス市場で大きく伸ばしたLenovo NECグループと富士通が高いシェアをキープ。ポータブルPCが主力製品である東芝は上位5位中で唯一、前年同期比の成長が1桁であった。これは、ビジネス市場の成長をけん引したデスクトップPCの買い替え需要の恩恵を受けられなかったためだと考えられる。Dellはビジネス市場だけでなく家庭市場でも台数を伸ばし、前四半期から順位を1つ上げ第4位。HPは家庭市場のマイナス成長が影響し、1つ順位を下げる形となった。
IDC Japanは「2006年から家庭市場向けPCの出荷台数は徐々に増え、2011年、2012年はビジネス向け出荷台数とほぼ同じ台数になった。だが、2013年はこれまでの傾向とは明らかに異なるトレンドを示している。2013年はPCの台数が減少し、ネットブックのブームが来る前の2006年、2007年の状態に戻ったとみることができる」と分析する。
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