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スズキの「ソリオ」はミリ波レーダーで自動ブレーキ、3万5000円で設定可能安全システム

スズキは、小型車「ソリオ」に、ミリ波レーダーを用いた運転支援システム「レーダーブレーキサポートII」をメーカーオプションで設定した。オプション価格は、横滑り防止装置(ESC)を標準装備するグレードの場合に3万5000円(税別)と、ミリ波レーダーを用いた運転支援システムとしては極めて安価だ。

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「ソリオ」の「レーダーブレーキサポートII」

 スズキは2014年2月6日、小型車「ソリオ」にミリ波レーダーを用いた運転支援システム「レーダーブレーキサポートII」をメーカーオプションで設定したと発表した。「エンジン排気量が1.5l(リットル)以下で全高1550mm以上、2列シート/5人乗りのコンパクトハイトワゴンでミリ波レーダー方式の運転支援システムを搭載するのは初めて」(同社)だという。オプション価格は、横滑り防止装置(ESC)を標準装備する、新型エンジン「デュアルジェット エンジン」と減速エネルギー回生機構「エネチャージ」搭載グレードの場合で3万5000円(税別)。ESCを装備しない従来型エンジ搭載ングレードの場合で6万5000円(税別)となっている。

「ソリオ」における「レーダーブレーキサポートII」のミリ波レーダーの設置位置
「ソリオ」における「レーダーブレーキサポートII」のミリ波レーダーの設置位置 出典:スズキ

 レーダーブレーキサポートIIの機能は大まかに分けて3つある。1つ目の「前方衝突警報機能」は、走行中に前方の車両と急接近し衝突の可能性がある場合に、ブザー音とメーター内の表示により警報を発し、ドライバーにブレーキ操作などを促す機能である。動作速度範囲は、静止している車両に対して時速約5km〜約80km、走行している車両に対して時速約5km〜約100km。

 2つ目は「前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能」だ。時速約5km〜約100kmで走行中、前方の車両との衝突の可能性が高い時にドライバーが強くブレーキを踏むと、制動力を高めて、衝突の回避、または衝突時の被害軽減を図る。制動力を高めている間は、ブザー音とメーター内の表示により警報を発する。衝突回避可能な速度差に関する情報は公開していない。

「前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能」の概要
「前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能」の概要(クリックで拡大) 出典:スズキ

 3つ目になるのが、時速約5km〜約30kmと低速で走行している際に動作する「自動ブレーキ機能」である。前方の車両との衝突を回避できないと判断した場合に、自動ブレーキを掛け、衝突の回避、または衝突時の被害軽減を図る。前方車両との速度差が時速約15km以下であれば、衝突を回避できる可能性があるという。

 この他、時速約55km以上で走行中に急ブレーキを掛けた場合、ハザードランプを自動で高速点滅させて後続車両に注意を促す「エマージェンシーストップシグナル」も併せて提供する。

レーザーレーダーを用いる「レーダーブレーキサポート」と同価格帯に

 ミリ波レーダーを用いる運転支援システムは、レーザーレーダーと比べて検知距離が長いこともあって、高速走行時にも利用できる点が大きな特徴となっている。スズキが軽自動車の「ワゴンR」や「スペーシア」に展開している「レーダーブレーキサポート」(関連記事:「ワゴンR」のJC08モード燃費が30.0km/lに、プリクラッシュも4〜5万円で搭載可)は、レーザーレーダーを使用しているので、時速約5〜約30kmと低速走行時にしか動作しないが、ミリ波レーダーを用いるレーダーブレーキサポートIIは時速100kmまで動作する。

 従来、ミリ波レーダーはレーザーレーダーより高価なこともあって、高級車の運転支援システムに用いられることが多かった。かつては数十万円することもあったが、ミリ波レーダーに用いるデバイスのコスト低減により低価格化が急速に進んでいる(関連記事:大衆車にも求められる「予防安全」)。例えば、トヨタ自動車の「クラウン」は10万円(税別)、「プリウス」は14万円(税別)でミリ波レーダー方式の運転支援システムを設定できる。

 レーダーブレーキサポートIIに至っては、ESC込みで6万5000円、ESCなしで3万5000円とクラウンやプリウスをも大幅に下回る価格に設定されている。レーザーレーダーを用いるレーダーブレーキサポートの4万円(ESC込み)とほぼ変わらない。ただし、レーダーブレーキサポートIIは、高速走行時に先行車両との車間距離を保ちながら追従走行するアダプティブクルーズコントロール(ACC)は備えていない。クラウンやプリウスの場合はACCも可能である。

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