製造現場における画像処理【後編】:製造現場で役立つ「画像処理技術」入門(6)(2/2 ページ)
製造現場における画像処理技術とは何か? その特徴や導入時のポイントなどをきちんと理解し、生産性向上に役立てていきましょう。連載第6回では、前回から引き続き「製造現場における画像処理」をテーマに、画像処理の製造現場での活用事例を紹介します。
製造現場でのコードリーディングの難しさ
前述の通り、現場でのコードの状況はさまざまに変化します。各部品の汚れ、すれ、加工状況の違い、各種熱プロセス、さらには朝晩の太陽光の方向による反射の仕方までもが読み取りを難しくする要因になります。
そして、バーコードリーダーにはそれらの状況の変化を乗り越えてコードを読み取っていく能力が要求されます。そこには、細かな微調整ではなく圧倒的な読み取り能力の強さが必要になります。高度な画像解析アルゴリズムが搭載されているバーコードリーダーこそが、生産現場で実用的なDPM読み取り用リーダーとして評価されることになります(図4)。
1次元バーコードへの適用
日々強化されている画像処理技術は1次元バーコードの読み取りにも適用できます。もともとレーザースキャナで行っていた分野の読み取りにおいても高度な画像処理を行うことにより、従来では難しかったすれや損傷の激しいコードでも読み取ることができ、ライン停止などによる歩留まりの低下を防ぐことができます。
例えば、コグネックスの開発したHotbarsテクノロジは、高度な信号解析アルゴリズムを搭載し、レーザースキャン式や通常の画像処理式では読めなかったダメージコードも速度の低下なく高精度に読むことが可能となります(図5)。
このように、画像処理技術は検査や計測の分野においてだけでなくバーコードリーダーの分野に置いてもその性能を左右する重要な技術なのです(次回に続く)。
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