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“氷上のF1”ボブスレー、高速滑走支える3次元CAD米ソリッドワークスのプライベートイベントより(2/2 ページ)

米ソリッドワークスが開催中のプライベートイベント「SolidWorks World 2014」2日目の基調講演では、ソチオリンピックのボブスレーで、米国チームが使用するソリの開発者が登壇した。その他、8本の足で自在に動き回るクモ型ロボットや、カーボンファイバで印刷できる3Dプリンタの設計者も事例を紹介した。

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カーボンファイバで印刷できる3Dプリンタ

 3Dプリンタの開発を手掛けるベンチャー企業MarkForgedの共同設立者でCEOを務めるGregory Mark氏は、SolidWorksを使って設計した3Dプリンタ「Mark One」を披露した。

 この3Dプリンタの最大の特徴は、材料にナイロン樹脂やPLA樹脂だけでなくカーボンファイバとファイバガラスも利用できることだ。カーボンファイバを加えることで、物体の強度を上げることができる。例えば、アルミニウムに比べると約30%強度が増すという。レーシングカーのパーツを作成することが当初の目的だったので、どうしても強度が必要だったと、Mark氏は述べる。


MarkForgedのCEOであるGregory Mark氏(左)

「Mark One」の外観。サイズは横575mm×高さ360mm×奥行き322mmと小型で、作業机の上に置ける。Mark氏は外観の美しさにもこだわり、最終形になるまで20回ほど設計イテレーションを重ねたという。

 Mark Oneは、熱溶解積層方式(FDM)を採用し、樹脂用とカーボンファイバ用に2個のプリントヘッドを備えている。2個のプリントヘッドは対になっていて同時に動くが、印刷はどちらか1個のプリントヘッドでしか行えない。まずは樹脂でベースを印刷し、その上にカーボン、樹脂といった順序で印刷していく。もちろん、片方のプリントヘッドだけを使って樹脂だけ、あるいはカーボンファイバだけで印刷することも可能だ。


対になったプリントヘッド

Mark Oneで印刷した試作品を工程別に展示したもの。試作品の長さは約30cm、厚さは1.5cmほどだ。左から、ナイロン樹脂のベース、その上にカーボンを印刷したもの、さらにナイロン樹脂をハニカム構造に印刷したもの、最後にもう一度ナイロン樹脂を印刷したもの。約5時間で全工程が終了する。試作品の印刷にかかったコストは約30米ドルだという。

 Mark Oneは、SolidWorks World 2014で初めて披露された。2014年2月に発売を開始し、同年後半から納品を始める。価格は5000米ドルで、まずは米国内で販売網を拡大する計画だ。

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