デンソーがカーエアコンユニットを標準化、小型車から高級車まで搭載可能:「ハリアー」「ノア/ヴォクシー」が採用
デンソーは、小型車から高級車まで共通して搭載できる新型カーエアコンユニットを開発した。「大幅な標準化とともに小型・軽量化、高性能化を実現した世界初のカーエアコンユニット」(同社)だという。トヨタ自動車の「ハリアー」や「ノア/ヴォクシー」に採用されている。
デンソーは2014年1月21日、小型車から高級車まで共通して搭載できる新型カーエアコンユニットを開発したと発表した。「大幅な標準化とともに小型・軽量化、高性能化を実現した世界初のカーエアコンユニット」(同社)だという。トヨタ自動車が2013年12月に発売した「ハリアー」、2014年1月に発売した「ノア/ヴォクシー」に採用されている。
従来のカーエアコンユニットは、車種ごとにサイズや構造などが異なるのが一般的だった。今回の新型ユニットは、構成部品の小型化と標準化により、車両に合わせて構成部品を置き換えるだけで仕様を満足させられるようになっている。
例えば、エアコンから吹き出る空気の温度を調節するためのエアミックスドアは、高度な成形技術によって厚さを従来比で半減。これによりユニットの奥行きを縮めるとともに軽量化も果たしている。ドアを動かすためのサーボモーターは、従来は複数個使用していたところを、構成部品の標準化により1個に統合できた。ブロワファンは、ファンの翼形状を風の流れに最適な形に設計することで、送風能力を維持しつつ、従来よりも15%小型化しながら消費電力も20%低減しているという。これら新開発の構成部品を用いることにより、カーエアコンユニットのサイズを20%小型化することに成功した。
新型カーエアコンユニットは、一般的なガソリンエンジン車だけでなく、各種エコカーへの対応も容易に行える。アイドルストップシステム搭載車であれば、エアコンケース内のエバポレータを蓄冷エバポレータに置き換えれば、アイドルストップ中であっても冷気を流すことが可能になる。ハイブリッド車や電気自動車であれば、ヒーターコアを置き換えてヒートポンプエアコンにすることもできる。車室内の空気循環と外気の車室内への取り込みを同時に行う内外気二層構造に変更すれば、低熱源車両にも対応可能だ。
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