スズキが新型変速機「オートギヤシフト」を開発、インド向け新型車に搭載:エコカー技術
スズキは、新型の変速機「オートギヤシフト」を開発した。「マニュアル変速機と自動変速機の利点を両立した」(同社)という。2014年2月にインドで開催される「デリーオートエキスポ2014」において、オートギヤシフトを搭載した新型車を公開する予定である。
スズキは2014年1月14日、新型の変速機「Auto Gear Shift(オートギヤシフト)」を開発したと発表した。「マニュアル変速機と自動変速機の利点を両立した」(同社)という。同年2月5日からインドで開催される「デリーオートエキスポ2014」において、オートギヤシフトを搭載した新型車を公開する予定である。
オートギヤシフトは、5段変速のマニュアル変速機に、クラッチおよびシフト操作を自動で行う電動油圧方式アクチュエータを搭載したAMT(Automated Manual Transmission)だ。アクチュエータとECU(電子制御ユニット)をマニュアル変速機に直付けして一体化することで、作動系の一体性を図っている。また、変速時におけるクラッチとシフト、エンジンの動作が協調するように工夫して変速操作の円滑化を実現した。
AMTは、基本機構がマニュアル変速機なので無段変速機や自動変速機よりも伝達効率が高い。加えてオートギヤシフトでは、ECUにより最適に制御された変速操作を行えるので、マニュアル変速機よりも走行時の燃費を向上させやすくなる。
オートギヤシフトを搭載する車両は運転操作が容易になることも大きなメリットになる。AMTなので、マニュアル変速機のように、変速時にクラッチペダルとシフトノブを操作する必要はない。一方、自動変速機と同様にクリープ機能を有しているので、車庫入れや渋滞の際の運転も容易である。
運転を楽しみたいときには、マニュアル変速機モードを選択することもできる。
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