マツダの自動ブレーキ試乗会事故、使用車両に故障や異常は見つからず:安全システム
マツダは2013年12月26日、埼玉県深谷市の同社販売店で同年11月10日に実施した安全装備の体感試乗会における事故について、警察との合同調査の結果、使用車両に故障や異常がなかったことを確認したと発表した。
マツダは2013年12月26日、埼玉県深谷市の同社販売店で同年11月10日に実施した安全装備の体感試乗会における事故について、警察との合同調査の結果、使用車両に故障や異常がなかったことを確認したと発表した。
同事故は、SUV「CX-5」に搭載された運転支援システム「スマート・シティ・ブレーキ・アシスト(SCBS)」の機能を体感するイベントで発生。試乗車両がフェンスに衝突し、運転していた参加者と同乗していた販売店の従業員が重軽傷を負った。
SCBSは、時速4〜30kmで低速で走行している際に、レーザーレーダーで前方車両を検知して衝突の危険性が高いと判断すると、衝突の回避もしくは衝突被害の軽減のために自動ブレーキを掛けるシステムである。一方、時速30km以上で走行している場合には、自動ブレーキが働かないようになっている。今回、使用車両に故障や異常がなかったことから、事故が発生した際に、時速30km以上で走行していた可能性が高まったといえる。
ただし、事故の状況や原因は引き続き調査中である。このためマツダは、事故発生から行ってきた、安全装備の体感試乗会の自粛を続ける方針だ。
同様のシステムは多数、動作速度範囲は時速5〜30km
なお、SCBSと同様に、レーザーレーダーを用いる運転支援システムには、ダイハツ工業の「スマートアシスト」、スズキの「レーダーブレーキサポート」、ホンダの「シティブレーキアクティブシステム」、フォルクスワーゲンの「シティエマージェンシーブレーキ」、ボルボの「シティ・セーフティ」などがある。SCBSを含めて、「シティ」という言葉が入っているものが多いことから分かるように、市街地で低速走行している際に用いることを想定したシステムだ。ほぼ全てのシステムが時速5〜30kmを動作速度範囲としている。
ただし、先行して車両搭載を進めてきたボルボのシティ・セーフティは、2013年8月に発売した2014年モデルの車両から時速50km未満でも動作するように改良を施している(関連記事:ボルボの「サイクリスト検知機能」、レーザー+ミリ波+車載カメラの融合で実現)。
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