「twin up!はXL1と兄弟」――リッター90.9kmのPHEV「twin up!」:東京モーターショー2013(1/2 ページ)
Volkswagen(フォルクスワーゲン)が、東京モーターショー2013で4人乗り小型車のプラグインハイブリッド車(PHEV)コンセプトモデル「twin up!」を発表。リッター90.9kmの超低燃費は、設計の規格化/標準化でさまざまなパワートレインに対応可能な新世代プラットフォームによって生まれた。
Volkswagen(フォルクスワーゲン)は「第43回東京モーターショー2013」(2013年11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)で、4人乗り小型車のプラグインハイブリッド車(PHEV)コンセプトモデル「twin up!」を発表した。
「4人乗りとしては歴代最高燃費」(同社)となるリッター90.9km(100km走行時の燃料消費が1.1リットル)を誇る。エンジンを使わずにモーターだけで走行する電気自動車(EV)モードの走行距離も最長で50kmと長距離走行を可能にした。
フォルクスワーゲンは2013年2月に2人乗りのPHEV「XL1」を発表。リッター111.1km(100km走行時の燃料消費量が0.9リットル)という驚異の低燃費を実現している。「XL1は、生産車としては世界一燃費効率に優れたモデル」(同社)。
今回発表されたtwin up! は、このXL1のPHEVシステムを採用した4人乗りのモデルだ。同社が推進する「モジュラー・マトリックス戦略」を適用し、ディーゼルエンジン、電気モーター、デュアルクラッチギアボックス(DSG)といった駆動システムの主要部品をXL1と共有させつつ、現行の小型車「up!」と同じプラットフォームにPHEVシステムを載せている。
Volkswagenグループ開発担当取締役のDr.ハインツ・ヤーコブ・ノイサー氏は、「twin up! はXL1の兄弟といっていい。パワートレインは非常に効率のよいものとなっており、2気筒ディーゼルエンジンとモーターとの組み合わせで140km/hで走れる自動車になった」と語る。
現行のup! との唯一の違いは「もともと短かったフロントオーバーハングが30mm延長されている点だけ」(同社)だという。このフロント部にシステムパワー55kWの駆動ユニットが搭載。0.8リッター2気筒TDIエンジン(35kW)、電気モーター(35kW)、7速DSG、パワーエレクトロニクスから構成されている。
このようにフォルクスワーゲンの最新モデルは、モジュラー・マトリックス戦略によって従来型エンジン以外に、EV/CNG/PHEVなど、他の代替型駆動システムも搭載できるような基本設計がなされている。
ノイサー氏は、モジュラー・マトリックス戦略について「ガソリン、ディーゼル、CNG、エタノール、EV、HV、PHEVなどといったあらゆるパワートレインを、新しい車のプラットフォームとして導入することが可能で、お客さまのニーズに合わせてクルマを作ることができる」と、その有用性をアピールする。また、その生産ラインについても「フレキシブルでインテリジェントなため、例えばEV用に個別の工場作って生産する必要もない。同じラインで1台1台別のクルマを生産することも可能」と語る。
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