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新市場をつかめ! 勝負を分ける3Dプリンタ特許〔中編〕特許で見える3Dプリンタの将来像知財コンサルタントが教える業界事情(16)(2/3 ページ)

3Dプリンタの普及のカギを握る「特許」の存在を、知財と企業戦略の専門家が読み解く本連載。2回目となる今回は、具体的な特許情報に触れながら、普及のポイントについて解説する。

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今後注目すべき3Dプリンタ特許

 2013年8月に、シンガポールで開催された「GFIP(Global Forum on Intellectual Property) 2013」では、3Dプリンタ産業を題材に、「産業と知的財産の関係」が議論されました。その中で、今後問題になりそうな特許として、「米国特許 8,286,236 “Manufacturing control system”」の存在が話題に上ったようです。*)


EFF
EFFのWebサイト(クリックでWebサイトへ)

 法的主張を行う非営利組織である「EFF(Electronic Frontier Foundation)」は、「3Dプリンタの発展を妨げる特許」の先行技術情報を広く募集しています。EFFは、新米国特許法(American Invent Act)に規定された情報提供制度を活用して、先行技術情報のUSPTO(United States Patent and Trademark Office)への提出を狙っています。

 例えば、2012年12月には、3Dプリンタ特許4件(ファミリー特許まで含めると6件)の先行技術情報が募集されています。翌2013年4月には、3Dプリンタ特許6件(うち1件は、2012年12月公募と同一)の先行技術情報が募集されています(先行技術公募対象特許の総件数は9件)。*)

*) 2012年12月の先行技術情報の参照記事:“EFF Needs Your Help In Stopping Dangerous 3D Printer Patents”と、2013年4月の先行技術情報のEFFブログ: “EFF and Partners Challenge Six 3D Printing Patent Applications


 「3Dプリンタの進歩がもたらす、個人のモノづくり力の増大」と「特許で抑制/制御したい企業/産業界」とは、対立の立場にあるものと、EFFは捉えているように見えます。

コラム

EFFが注目する「つぶしたい特許10件」とは何か?

 EFFが、2012年12月と2013年4月に、先行技術公募対象の公開特許、合計10件を公表しました。両方の時期に、先行技術の公募対象となった特許が1件あるため、総数は9件となります。これらの特許は、社会的影響の大きい重要特許と見なすこともできますので特許公報番号、発明の名称、出願人を表にまとめて紹介します。

EFFが先行技術を公募対象としている公開特許10件
EFFが先行技術を公募対象としている公開特許10件(クリックで拡大)

 先行技術公募対象公開特許9件の出願人の内訳は、Stratasysが6件、3D Systemsが2件、パナソニックが1件です。3Dプリンタの2強企業(Stratasysと3D Systems)の存在感が大きいことが分かります。

 さらに、出願人と発明の名称の関係から、以下のことが分かります。

  1. Stratasysは「FDMの改良特許」を出願して、初期のFDM特許の権利期間満了に備えています。
  2. 3D Systemsは「医療品用途」、Stratasysは「チョコレート」が対象の特許出願を行っています。3Dプリンタの応用は医薬品や食糧の分野でも既に始まっています。
  3. Stratasysと3D Systemsは、いずれも「立体的構造物の3Dスキャナー」によって得た「ボクセルモデルデータ」による3Dプリンタプロセスの特許出願を行っています。

 このように特許情報を見ることで、3Dプリンタにおいても今後の技術の発展の方向について理解できます。

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