フレキシブル基板への部品実装を自動化、手のあおりをロボットで再現:SCF2013
パナソニックはSCF2013で、フレキシブル基板にコネクタを自動で装着できる「パラレルリンクロボット」のデモ展示を行った。これまで手作業でしか行えなかった実装を自動化することが可能となる。ロボットの動作をプログラムで記述しなくても、熟練作業者の動きを忠実に再現する「手づたえ教示」のデモも行った。
パナソニックは、「システム コントロール フェア(SCF) 2013」(2013年11月6日〜8日、東京ビッグサイト)で、フレキシブル基板にコネクタを自動で装着できる「パラレルリンクロボット」のデモ展示を行った。これまで手作業でしか行えなかった実装を自動化することが可能となる。ロボットの動作をプログラムで記述しなくても、熟練作業者の動きを忠実に再現する「手づたえ教示」のデモも行った。
パラレルリンクロボットは、6軸の独立したアームにより、柔軟な姿勢制御を行うことができる。「一般的にロボットのアームは3軸制御を行うが、パラレルリンクロボットは6軸を自由に動かせるため、手のあおりを再現できる」(説明員)と話す。このことで、人間が行うような高速で繊細な動きをロボットでも忠実に再現することができるようになった。
会場のデモでは、画像認識用のカメラを使って、装着するコネクタの形状を確認し位置などを補正する。一方、ロボットのアームはツメの先を工夫することで、柔らかいフレキシブル基板を確実につかんで、コネクタが正しく装着されるように協調動作を行うことができるようにした。
同システムは2013年1月から発売しているが、既にデジタルカメラのフレキシブル基板組み立て工程に導入されているという。これ以外にも「PCの本体側と液晶パネル側を接続するためのフレキシブル基板の組み立てや、さまざまなシールを機器に添付する作業など、これまで手作業でしか行えなかった工程を自動化することが可能だ」(説明員)と述べた。
さらに、パラレルリンクロボットを使った手づたえ教示のデモも行った。熟練者が直接エンドエフェクタを動かし、作業方法などの技能をロボットに伝えてその動きを記憶させる。記憶したデータをロボットシステム側で数値化することで、熟練者の作業を忠実に再現することができる。「ロボットに搭載しているモータは40W品で、産業用ロボットの範疇には含まれず、作業者が取扱いの制約を受けることもない」(説明員)というメリットもある。
SCF 2013会場では、パナソニック デバイスSUNX製品を中心に、パナソニックのモノづくり本部やモータ事業部、制御機器事業部およびパナソニック エコシステムズなどの新製品/新技術に加え、グループ製品で構成するシステム提案などを行った。
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