トヨタが燃料電池車のFCスタックの出力密度を倍増、セダンタイプで2015年に市販:東京モーターショー2013(2/2 ページ)
トヨタ自動車は、「第43回東京モーターショー2013」において、2015年に市販するセダンタイプの燃料電池車(FCV)のデザインコンセプト「TOYOTA FCV CONCEPT」や、直感で通じ合うことで愛着を感じられる未来のクルマ「TOYOTA FV2」、次世代の日本のタクシーコンセプト「JPN TAXI Concept」などを世界初公開する。
“おもてなしの心”から生まれた次世代タクシー
JPN TAXI Conceptは、「みんなが乗りたくなる、そして笑顔になる。日本の街の風景を変え、日本ならではの“おもてなしの心”から生まれた次世代タクシーコンセプト」(トヨタ自動車)である。取り回しの良いボディサイズに、優れた乗降性とゆとりある室内空間を実現した。外形寸法は全長4350×全幅1695×全高1700mm、ホイールベースは2750mm。乗車定員は5人である。
従来のセダンタイプのタクシーとは異なり、ミニバンなどでおなじみの電動スライドドアや、低いフロア地上高、段差のないフラットな車室床面を特徴としている。このため、子どもや高齢者の乗り降りも容易で、開放的な室内空間も確保されている。“おもてなし”の客室デザインとして、ユニバーサルデザインをモダンに表現した。大型モニターには、行先までのルートや料金目安といった乗客の知りたい情報を表示。空調や照明とともに快適な移動空間を提供する。
パワートレインは、タクシーの走行パターンに最適な、優れた環境性能と経済性をもつ新たなLPG(液化石油ガス)ハイブリッドシステムを採用している。運転席は多様な計器類を集約し、タクシードライバーがプロとして誇りを持てる機能的な空間となるように仕上げた。
普及タイプのミニバン「ノア/ヴォクシー」のコンセプトモデルも公開する。「NOAH CONCEPT」は排気量1.8lのガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステム搭載モデルで、外形寸法は全長4695×全幅1695×全高1825mm。「VOXY CONCEPT」は排気量2.0lのガソリンエンジンを搭載するエアロ専用パーツ仕様で、外形寸法は全長4710×全幅1730×全高1825mm。ホイールベースは両方とも2850mmである。
エクステリアは、車外からでも室内の広さが分かる力強いハコ(箱)をイメージした、「EMOTIONAL BOX」を共通のデザインコンセプトとしている。NOAH CONCEPTは、コンパクトミニバンの王道を行く堂々とした雰囲気をフロントマスクに表現。一方、VOXY CONCEPTは、エアロ専用パーツが低重心と迫力のワイドボディを強調し、圧倒的な存在感を示している。
インテリアは、「家族の夢を丸ごと載せる広々とした室内空間を実現し、Fun、Utility、Nenpi(燃費)を高次元で融合する『Spacious FUN BOX』をキーワード」(同社)に開発した。新開発の低床フロアにより、クラストップレベルの広い室内空間や優れた乗降性を実現。7人乗り仕様車は、2列目シートにクラス初となる超ロングスライドのキャプテンシートを採用。これにより、多彩で快適なシートアレンジが可能になる。
なお、ノア/ヴォクシーとして初となるハイブリッドモデルいついては、電池パックの適正配置により、ミニバンの高いスペースユーティリティを維持したという。
2014年初旬には、これら両コンセプトモデルを基にノア/ヴォクシーのフルモデルチェンジを行う予定である。
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