イーソルが「eT-Kernel」のISO26262の第三者認証を「ASIL B」で取得へ:ISO26262
イーソルは、リアルタイムOS「eT-Kernel」と統合開発環境「eBinder」について、自動車向け機能安全規格であるISO 26262の第三者認証機関による認証を、ASIL Bで取得すると発表した。
イーソルは2013年10月22日、リアルタイムOS「eT-Kernel」と統合開発環境「eBinder」について、自動車向け機能安全規格であるISO 26262の第三者認証機関による認証取得を目指した取り組みを始めたと発表した。2014年4〜6月期に、ISO 26262の安全要求レベルを示すASIL(Automotive Safety Integrity Level)でBの認証を取得する予定である。
認証取得後は、eT-KernelやeBinderなどから構成されるソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」のユーザー向けに、ドキュメントパッケージ「eT-Kernel Platform Automotive Safety Package」の提供を始める。同パッケージは、eT-Kernel Platformで開発した車載システムについて、自動車メーカーやティア1サプライヤが、ISO 26262の認証を取得する際に必要となる、「セーフティ・マニュアル」や「セーフティ・レポート」といったドキュメントから構成される。特に、eT-Kernelが採用されている、カーナビゲーションシステムなどの車載情報機器について、ISO 26262の認証取得に掛かるコストを大幅に削減できるとしている。
ISO 26262のASILは、A〜Dの4段階で分けられている。安全要求レベルとしては、ASIL Aが最も低く、ASIL Dが最も高い。イーソルによれば、「今回取得を目指すのはASIL Bだが、さらに上位レベルの対応が必要とされる場合には、サービス提供で個別に対応していく。また、将来的には、ASIL CやASIL Dの認証取得も検討している」という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ISO26262対応の開発体制を2014年度にグローバル拡大」、ジェイテクトが講演
自動車向け機能安全規格ISO 26262に対応するためには何が必要なのか。MONOistオートモーティブフォーラム主催のセミナーで講演した、電動パワステ大手のジェイテクトでISO 26262対応プロジェクトを主導する益啓純氏は、自社の取り組み事例を紹介しながら、プロセスの改善とトレーサビリティの確保の重要性を説いた。さらに、2011年7月にISO 26262対応を終えた開発体制を進化させて、2014年度を目標にグローバルの開発拠点に拡大する方針も明らかにした。 - 「機能安全」の導入で何が変わるのか?
自動車向けの機能安全規格ISO 26262の策定作業が最終段階に入った。この規格では、機能安全を実現し、それを証明するために必要となる開発プロセスが定められる。では、その新たな開発プロセスは、従来の開発プロセスとどのように異なり、それを適用する際にはどのようなことが課題になるのだろうか。本稿ではまずこの点を明らかにする。加えて、機能安全を実現する上でポイントとなるマイコンについて、各メーカーの取り組みの様子を紹介する。 - Freescaleが機能安全対応の開発支援サービスを開始、ASIL Dへの準拠も可能
Freescale Semiconductorは2011年9月、機能安全規格に準拠した産業用機器や車載機器の開発を支援するためのサービス「SafeAssureプログラム」を提供すると発表した。