ドコモ「iPhone」参入で“低料金サービス競争”へ!? ――スマホ需要は徐々に鈍化:市場調査/予測
IT専門調査会社のIDC Japanは、国内携帯電話およびスマートフォン利用者を対象に実施した動向調査の結果を踏まえ、2013〜2017年の国内スマートフォン加入者数の予測を発表した。
IT専門調査会社のIDC Japanは2013年10月15日、国内携帯電話およびスマートフォン利用者を対象に実施した動向調査の結果を踏まえ、2013〜2017年の国内スマートフォン加入者数の予測を発表した。
2013年の国内スマートフォン市場は、従来型の携帯電話機からスマートフォン端末へ移行する“新規ユーザー”が順調に拡大。特に、国内大手通信キャリア3社(NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクモバイル)が、同年9月20日に発売されたApple(アップル)の新型スマートフォン端末「iPhone 5s」「iPhone 5c」の取り扱いをそろって開始し、積極的な販売戦略を実施していることもあり、スマートフォン利用者拡大の大きなプラス要因となる見通し。同調査によると、従来型の携帯電話機を利用しているユーザーの約半数がスマートフォンに関心を示しているという。こうした要因から、2013年における国内スマートフォン加入者数は、5105万人にまで拡大すると予測。
2014年も引き続き拡大傾向にあり、国内スマートフォン加入者数は前年比23%増の6277万人となる見込み。2014年におけるスマートフォンのOS別の加入者数内訳は、「Android」が2013年からシェアを1.9ポイント下げて60.7%に、対する「iOS」はiPhone 5s/5cの顧客拡大により2013年からシェアを1.8ポイント上昇させて39.2%まで増大すると予測している。なお、既にシェアが縮小傾向にある「Blackberry OS」および「Windows OS」に関しては、今後も厳しい状況が続くだろうと予想。AndroidおよびiOSを除く、その他OSのシェアは1%未満になるという。
2014年後半以降になると、スマートフォン需要の中心が「新規加入者」から「既存ユーザーの買い替え」に大きくシフトすると予測。さらに、法人向けや高齢者向け需要で、従来型の携帯電話機へのニーズも根強く残ると考えられるため、2015年以降の国内スマートフォン加入者数の成長率は徐々に鈍化。2017年の予測は、2013年の約1.45倍の7401万人になるとしている。
IDC Japanは、今後の見通しについて「短期的に見た場合、スマートフォン需要は、NTTドコモがiPhone 5s/5cの販売を開始したことで、2013年後半も引き続きiOSが市場拡大の大きなカギを握ることになる。ただし、中期的に見た場合、大手通信キャリア3社がそろってiPhone販売を戦略の中核とすることで、事業者間の競争戦略、競争環境が同質化し、低料金サービス競争に陥りやすい環境になる恐れがある」とコメントしている。
なお、調査結果の詳細は、IDC Japanが発行したリポート「国内携帯電話市場 事業者別OS別 2013年〜2017年の加入者数予測:iOSユーザーは今後も拡大を続けるのか?」にて報告されている。
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