ドライブバイワイヤの生みの親は自動変速機!?:いまさら聞けない 電装部品入門(10)(2/3 ページ)
アクセルペダルの踏み込み具合とスロットルバルブの開度を連携させるドライブバイワイヤ(Drive-By-Wire、DBW)システム。自動車にとってDBWが必須のシステムとなったのは、自動変速機の普及が背景にある。
スロットルバルブの役割
それでは今回の主役であるスロットルバルブの役割について話を進めていきます。
スロットルバルブは、吸入空気の通路(インテークパイプ/インテークマニホールドなど)の途中で「弁」の役割を果たしており、通路の面積を可変させることで吸入空気量(混合気量)を調整しています。
スロットルバルブが少ししか開いていない場合、吸入空気はスロットルバルブの開度に比例して少しの量しか通過できません。エンジン出力は混合気量に比例しますので、必然的にエンジン出力が抑えられます。
逆にスロットルバルブが全開状態(弁として機能していない状態)になると、吸入空気量を抑制する機構がなくなりますので、エンジンが持っている性能限界まで出力される状態になります。
このスロットルバルブの開閉状態を操っているのが、スロットルバルブに金属製ケーブルで連結されているアクセルペダルです。
この場合、アクセルペダルの踏み込み量に応じてスロットルバルブの開度がリニアに変化するので、アクセルペダルを少ししか踏んでいない時はエンジン出力が抑えられ、目いっぱいまで踏みこんだ時は全力でエンジン性能が解放されます。
以下に、アクセルペダルを8分の1ほど踏み込んだ時のイメージイラストを用意しました。こちらをご覧いただければ理解しやすいかと思います。
茶色で示したスロットルバルブの上下にある隙間を空気が通過する際に、もともとの空気の勢いがスロットルバルブ通過後に衰えているのがお分かりいただけると思います。
参考までに、実物のスロットルバルブが約8分の1開いている状態はこんな感じです。
このように、アクセルペダルの踏み込み量の調整は、吸入空気量の調整と同じであり、最終的にはエンジンの出力調整をしているのと同じことになります。
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