設計者の皆さん、DRで「結局何が言いたいの」と言われませんか?:甚さんの「コミュニケプレゼン」大特訓(1)(3/3 ページ)
営業職ではなくても、コミュニケーションとプレゼンテーションのスキルが大事! そのスキルを磨くことは、設計者にとっての“修行”ともいえる。
CAE技術者は、高速コンピュータを利用したシミュレーション用解析ソフトはもちろん、機械工学や材料工学に卓越していなければなりません。しかしCAE技術者としてより一層の技術力を磨くためには、技術そのものよりも、まずは、コミュニケプレゼンスキルアップを優先すべきです。なぜなら、CAE技術者とは、コンサルテーションを主体とする業務(設計者や生産技術者の技術的な相談に乗る)だからです。
甚さん、どうすればいいのでしょうか? 私も実際のところ、果たしてちゃんとできているか心配になってきました……。
そりゃ、簡単だぜぃ。オレたちゃ職人の原点はよぉ、コミュニケプレゼンスキルだぁ。コミュニケプレゼンって言ってもなぁ、あくまで“技術者専用”のスキルが必要なんだぜぃ。そんじゃ、次回までに、……。
早速、甚さんから2人に宿題が出ました。
アクセサリーやスマホやノートPCが欲しいとき、ショップに行きます。そこには、ショーウインドー内に飾られたアクセサリーや、棚にディスプレーされたスマホやノートPCが陳列されています。それらの商品の脇には、商品の特徴やお勧めのコメントなど、簡単なメッセージが掲げられています。
表1を見ろ。まるで、ショーウインドー内に飾られた商品のように、「スキル道具」が陳列されているだろ。
全ての道具が、技術者専用のコミュニケプレゼンスキルの道具なんですね?
そうだ。エリカちゃんは相変わらずカンがするどいじゃねぇかい。
あっ、僕も分かりました。表2にある「スキル道具」で自分が興味ある、自分に合っていそうな道具を選べばいいんですね?
そうだ。次回までに選択しておけよっ!
甚さんも言っていましたが、職人の原点は、コミュニケプレゼンスキルです。営業向けや管理職向けではなく、あくまで技術者専用のスキルです。そして、技術者のコミュニケーション上の悩みを解決するには、日々の努力や、日本人が好きな“気合い”ではなく、コミュニケプレゼンのスキルアップに必要な道具を使いこなすことが肝要です。次回から、それぞれについて詳しく説明していきます。
Profile
國井 良昌(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)。日本技術士会 機械部会、埼玉県技術士。横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師。首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師。
1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師としても活躍中。「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」(日刊工業新聞社)と「ついてきなぁ! 『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!」(日刊工業新聞社)をはじめとする多数の書籍を執筆。
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